岩倉きぼうクリニック

手荒れ(手湿疹)

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手湿疹(手荒れ)でお悩みの方へ

手は日常生活で最も使う部位の一つです。
特に水仕事やアルコール消毒、手洗いの回数が増えると、手がカサカサしたり、赤みが出たり、ひび割れたりすることがあります。
美容師さんのように、手への負担が大きい職業の方にとっては、手湿疹が深刻な問題となり、離職につながることも少なくありません。
ある研究では、医療従事者の生涯有病率は約33%、つまり3人に1人が経験すると報告されており、これは決して他人事ではないのです。
つらい症状に悩まされながら仕事を続けることは、精神的にも大きな負担となります。
当院で力になれることがあるかもしれません。
「単なる手荒れ」と諦めずに、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市周辺の方は、ぜひ一度ご相談ください。

これって手湿疹?見分け方と4つの進行段階

「ただの手荒れだろう」「冬だから仕方ない」と、手のカサつきやかゆみを放置していませんか。その症状、もしかしたら皮膚の病気である「手湿疹」かもしれません。

手湿疹は非常にありふれた疾患ですが、悪化すると強い痛みやひび割れで日常生活に大きな支障をきたすことがあります。まずはご自身の症状を正しく理解し、適切なケアや治療へつなげることが大切です。

かゆみ・赤み・水疱・ひび割れなど症状別の特徴

手湿疹の症状は一つではなく、複数の症状が同時に、あるいは時期をずらして現れることがほとんどです。ご自身の手にどの症状が出ているか、チェックしてみましょう。

症状の種類 医学的な意味と主な特徴
乾燥・落屑(らくせつ)
赤み(紅斑:こうはん)
小さな水疱(すいほう)
丘疹(きゅうしん)
ひび割れ・亀裂(きれつ)
角化(かくか)・苔癬化(たいせんか)

これらの症状は、原因によって現れ方が異なります。例えば、洗剤などが原因の「刺激性」の場合は乾燥やひび割れが主体となり、アレルギーが原因の場合は赤みや水疱が強く出やすい傾向があります。

軽度から重度まで、症状の進行と見た目の変化

手湿疹は、適切な治療やケアを行わないと、段階的に悪化していく可能性があります。ご自身の症状がどの段階にあるかを知り、早めに対処することが慢性化を防ぐ鍵となります。

  • 第1段階:初期(軽症)
    • 症状
      • 手の乾燥、部分的なカサつき、わずかな赤みが見られます。
    • 皮膚の状態
      • 皮膚のバリア機能が少し低下し始めた段階です。かゆみは無いか、あっても軽いことがほとんどです。こまめな保湿ケアで改善が期待できます。
  • 第2段階:炎症期(中等症)
    • 症状
      • 赤みやかゆみがはっきりしてきます。小さな水疱や丘疹(ぶつぶつ)が現れることもあります。
    • 皮膚の状態
      • 炎症が本格化し、「かゆい→掻く→バリア機能が壊れる→さらに炎症が悪化する」という悪循環に陥りやすい時期です。
  • 第3段階:悪化期(重症)
    • 症状
      • 水疱が破れてじゅくじゅくしたり、ひび割れが深くなり出血したりします。水がしみて強い痛みを感じます。
    • 皮膚の状態
      • 皮膚のダメージが深刻で、細菌が侵入し二次感染を起こすリスクも高まります。痛みで仕事や家事が困難になるなど、生活への影響が大きくなります。
  • 第4段階:慢性期
    • 症状
      • じゅくじゅくした状態は落ち着きますが、皮膚が厚くゴワゴワになります(苔癬化)。
    • 皮膚の状態
      • 長期間の炎症により皮膚そのものが変質してしまった状態です。一見治ったように見えてもバリア機能は低下したままなので、わずかな刺激で再発を繰り返します。

特に、頻繁な手洗いやアルコール消毒が求められる医療従事者では、手湿疹の生涯有病率が約33%にものぼるという研究報告もあります。このような環境では軽症から重症へと進行しやすいため、初期段階での適切な対応が極めて重要です。

手湿疹の症状

間違いやすい他の病気(手白癬・汗疱・接触皮膚炎)との違い

手の症状は手湿疹と決めつけず、他の病気の可能性も考える必要があります。特に以下の病気は見た目が似ているため、専門医による正確な診断が不可欠です。

病名 主な特徴と手湿疹との違い
手白癬(てはくせん)
汗疱(かんぽう)
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
乾癬(かんせん)

これらの病気は見た目だけでの判断が非常に困難です。症状が長引く場合や、市販薬で改善しない場合は、必ず皮膚科を受診してください。

これって手湿疹?見分け方と4つの進行段階

手湿疹は、手のひらや手の甲、指などにできる湿疹の総称で、「手荒れ」とも呼ばれます。
主な症状は、皮膚の乾燥、かゆみ、赤み、小さな水ぶくれ、ひび割れなどです。
放っておくと症状が悪化し、治りにくくなることがあります。

手湿疹の原因

つらい手湿疹の症状は、一体何が原因で起こるのでしょうか。実は、原因は一つではなく、日常生活の「外からの刺激」と、ご自身の体質といった「内からの要因」が複雑に絡み合って発症します。

原因を正しく理解することは、適切な治療と効果的な予防への第一歩です。手湿疹を引き起こす代表的な5つの原因について、皮膚科専門医の視点から詳しく解説していきます。

手湿疹を引き起こす原因

水仕事やアルコール消毒など手への外的刺激とバリア機能低下

手湿疹の最も一般的な原因は、水や化学物質などの外的刺激です。これらの刺激が、皮膚を外部の刺激から守る「バリア機能」を低下させます。

私たちの皮膚表面は、皮脂膜と角層によって守られています。しかし、手のひらには皮脂を出す皮脂腺がほとんどないため、もともと乾燥しやすい部位です。

頻繁な手洗いや水仕事、アルコール消毒は、バリア機能の要である皮脂や角層の細胞間脂質を洗い流してしまいます。バリアが壊れた皮膚は無防備な状態になり、わずかな刺激でも炎症を起こしやすくなるのです。

【バリア機能が低下する主な外的刺激】

  • 物理的な刺激
    • 水、お湯、摩擦、紙や段ボールとの接触、キーボードの打鍵など
  • 化学的な刺激
    • 食器用洗剤、ハンドソープ、シャンプー、アルコール消毒液、薬品など

手湿疹の約7割は、こうした刺激物が原因で起こる「刺激性接触皮膚炎」と考えられています。これは特定の物質にアレルギーがなくても、誰にでも起こる可能性があるのが特徴です。

アトピー素因・アレルギー体質・ストレスといった内的要因

外からの刺激だけでなく、ご自身の体質などの「内的要因」も手湿疹の発症に大きく関わっています。特に、以下のような要因をお持ちの方は注意が必要です。

  • アトピー素因
    • アトピー性皮膚炎にかかったことがある、あるいはご家族にアトピー性皮膚炎の方がいる場合を「アトピー素因がある」といいます。アトピー素因のある方は、もともと皮膚のバリア機能が弱い傾向にあります。そのため、外的刺激の影響を受けやすく、手湿疹を発症しやすいと考えられています。
  • アレルギー体質
    • 特定の物質に対してアレルギー反応を起こす体質の方もいます。これを「アレルギー性接触皮膚炎」と呼びます。原因物質(アレルゲン)が手に触れることで、かゆみや水疱を伴う強い炎症が起こります。
    • 主なアレルゲン
      • 金属(ニッケル、クロム、コバルト)
      • ゴム製品に含まれる化学物質
      • 香料、防腐剤
      • 植物(ウルシ、サクラソウなど)
  • ストレス
    • ストレスが直接的に手湿疹を引き起こすわけではありません。しかし、強いストレスは免疫のバランスを乱し、炎症を悪化させることがあります。また、無意識のうちにかく行為を増やしてしまい、症状を悪化させる一因となります。

美容師・調理師・医療従事者などなりやすい職業と環境

手湿疹は、特定の職業に従事する方に多く見られる「職業病」としての側面も持ちます。手を酷使したり、特定の化学物質に触れたりする機会が多い環境では、発症リスクが著しく高まります。

【手湿疹になりやすい職業の例と主な原因】

職業 主な原因となる刺激や作業
美容師・理容師
調理師・飲食業
医療・介護従事者
清掃業
機械工業・建設業

特に美容師・医療従事者は、頻繁な手洗いや消毒作業が避けられないため、手湿疹のリスクが非常に高いことが知られています。複数の研究を解析した報告によると、医療従事者の手湿疹の生涯有病率は33.4%にものぼり、約3人に1人が経験するという結果でした。

このデータは、職業環境における予防策がいかに重要かを示しています。心当たりのある方は、仕事中の手の使い方や保護方法を見直すことが不可欠です。

手湿疹は美容師さんに多い

皮膚科での主な治療法と今日からできる3つのセルフケア

つらい手湿疹の症状を改善し、再発を防ぐためには、皮膚科での治療とご自身のセルフケアが不可欠です。この2つは車の両輪のような関係で、どちらが欠けても治療はうまくいきません。

皮膚科では、まず炎症という「火事」を消すための薬物療法を行います。そして同時に、皮膚のバリア機能という「防火壁」を立て直すためのセルフケアを継続していただきます。この両方に取り組むことで、症状の根本的な改善と再発しにくい丈夫な手肌を目指します。

ステロイド外用薬や保湿剤の正しい塗り方と効果

手湿疹治療の基本は、「ステロイド外用薬」で炎症を鎮め、「保湿剤」で皮膚のバリア機能を補うことです。薬の効果を最大限に引き出すには、正しい量と塗り方を守ることが何よりも重要です。

  1. ステロイド外用薬:炎症の火事を消す赤み、かゆみ、水疱といったつらい炎症を強力に抑えるための薬です。炎症を短期間で鎮めることで、かき壊しによるバリア機能のさらなる破壊を防ぎ、悪循環を断ち切ります。
  • 適切な量:「1FTU(フィンガーチップユニット)」が基本
    • チューブの口から大人の人差し指の第一関節まで出した量(約0.5g)が1FTUです。この量で、両方の手のひら全体をカバーするのが適量です。思ったよりも多いと感じるかもしれませんが、量が少ないと十分な効果は得られません。
  • 塗り方:優しく置くように広げる
    • 患部にすり込むのではなく、薬を点々と置き、手のひら全体に優しく広げます。塗った後に皮膚がテカっと光るくらいが適切な量の目安です。
  • タイミング:入浴後が最適
    • 皮膚が清潔で、適度に水分を含んでいる入浴後に塗ると、薬の浸透が良くなります。
  1. 保湿剤:皮膚のバリア機能を守り育てるカサカサになった皮膚に潤いを与え、外部の刺激から肌を守る「鎧」の役割を果たします。症状が良い時も続けることで、再発予防に繋がる非常に大切なケアです。
  • 適切な量:たっぷり、こまめに
    • 塗った後にティッシュペーパーが軽く貼り付くくらい、たっぷりと使用しましょう。
  • 塗り方:シワに沿って優しくなじませる
    • 手のひらで少し温めてから、皮膚のシワの方向に沿って優しく塗り広げると、すみずみまで行き渡ります。
  • タイミング:1日に何度も
    • 手を洗った後、水仕事の後、アルコール消毒の後、入浴後、そして就寝前など、乾燥を感じる前にこまめに塗る習慣をつけましょう。
手湿疹の塗り薬はたっぷりぬるのが大切

ステロイドは怖い?強さのランクと副作用について

「ステロイドは怖い薬」というイメージがあるかもしれませんが、それは大きな誤解です。皮膚科専門医の指導のもとで正しく使用すれば、手湿疹治療において非常に効果的で安全性の高い薬です。

ステロイド外用薬の強さにはランクがあります ステロイド外用薬は、効果の強さに応じて以下の5段階に分類されます。

ランク 強さのレベル
I群
II群
III群
IV群
V群

手のひらの皮膚は、顔や腕などに比べて厚く、薬が浸透しにくい部位です。そのため、しっかりと炎症を抑えるためには、比較的強めのランク(Strong以上)の薬が必要になることが多くあります。専門医は症状の重さや部位を正確に診断し、最適な強さの薬を選択します。

副作用は正しく使えば防げます
副作用は、非常に強いランクの薬を自己判断で長期間、広範囲に使い続けた場合に起こる可能性があります。具体的には、皮膚が薄くなったり(皮膚萎縮)、血管が浮き出て見えたり(毛細血管拡張)といった変化です。

当院では、副作用を最小にできるように、工夫しながら治療を行っています。

日常でできる予防と対策(保湿・手袋の活用・水との付き合い方)

薬物治療と並行して、日常生活での工夫が手湿疹の改善と再発予防の鍵を握ります。特に、頻繁な手洗いや消毒が避けられない医療従事者では、手湿疹の生涯有病率が約33%に達するという研究報告もあり、日頃の予防がいかに重要かを示しています。

  1. 徹底した保湿 症状が良い時も保湿を続けることが、刺激に負けない肌を作る基本です。キッチン、洗面所、職場、寝室、カバンの中など、生活のあらゆる場所に保湿剤を置き、すぐに塗れる環境を整えましょう。
  2. 手袋の賢い活用 原因となる刺激物から物理的に手を守ることは非常に効果的です。
  • 水仕事の時
    • 肌触りの良い綿の手袋をはめ、その上からゴム手袋やビニール手袋を重ねる「二重手袋」がおすすめです。ゴムによるかぶれや蒸れを防ぎ、手をしっかり保護します。
  • 就寝時
    • 保湿剤や薬を塗った後に綿の手袋をして寝ると、保湿効果が高まるだけでなく、就寝中に無意識にかき壊してしまうのを防げます。
  • 乾燥する季節や作業時
    • 外出時の寒風や乾燥、段ボールや紙類を扱う際なども、手袋で手を保護する習慣をつけましょう。
  1. 水との上手な付き合い方
  • 手の洗い方
    • 熱いお湯は必要な皮脂まで奪ってしまうため、33〜35度程度のぬるま湯で洗いましょう。
    • 石鹸やハンドソープは、洗浄力がマイルドな低刺激性の製品を選び、よく泡立ててから優しく洗います。すすぎ残しがないよう、十分に洗い流してください。
  • 拭き方
    • 洗った後は、清潔なタオルでゴシゴシこするのではなく、優しく押さえるようにして水分を吸い取ります。指の間もしっかり拭き、すぐに保湿剤を塗りましょう。
手湿疹の場合、手洗いはぬるま湯で

症状を悪化させる食事や睡眠などの生活習慣

食事や睡眠といった日々の生活習慣が、直接手湿疹の原因になることは稀です。しかし、皮膚の健康状態を左右し、症状を悪化させる要因となることがあります。

  • 食事の乱れ
    • 皮膚細胞の生まれ変わりには、バランスの取れた栄養が不可欠です。特に、皮膚の材料となるタンパク質や、健康を保つビタミン類(ビタミンA, B群, C, E)、亜鉛などが不足すると、皮膚のバリア機能は低下しやすくなります。
    • 一方で、香辛料などの刺激物やアルコールの過剰摂取は、血行を促進してかゆみを強くすることがあるため注意が必要です。
  • 睡眠不足
    • 睡眠中は、日中に受けた皮膚のダメージを修復し、再生を促す「成長ホルモン」が分泌されます。睡眠不足が続くと、この修復機能が十分に働かず、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が乱れてしまいます。結果として、皮膚のバリア機能が低下し、手湿疹が悪化・長期化しやすくなるのです。

洗剤やシャンプーなど肌に合わない日用品の選び方

毎日何気なく使っている日用品が、知らず知らずのうちに手湿疹の原因や悪化因子になっていることも少なくありません。特に洗浄剤に含まれる成分には注意が必要です。

【日用品選びのチェックポイント】

  • 洗浄成分(界面活性剤)
    • 食器用洗剤やシャンプーなどの洗浄成分は、汚れを落とす一方で皮脂も奪いやすいため、刺激の原因となります。洗浄力がマイルドなアミノ酸系のものや、肌と同じ弱酸性の製品を選ぶのがおすすめです。
  • 添加物
    • 香料、着色料、防腐剤(パラベンなど)がアレルギーの原因になったり、肌への刺激になったりすることがあります。成分表示を確認し、できるだけシンプルな製品を選びましょう。
  • 保湿成分
    • 洗浄後の乾燥を防ぐため、セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分が配合された製品を選ぶことも一つの方法です。

これまで問題なく使えていた製品でも、体調の変化やバリア機能が低下しているときに、突然合わなくなることもあります。

手湿疹のシャンプーの選び方

子供や赤ちゃんの手湿疹で注意すべきポイント

お子様の手のトラブルも多くは手湿疹ですが、大人とは異なる注意点があります。

  • 子供の皮膚の特徴
    • 大人に比べて皮膚の厚さが薄く、水分を保持する力や皮脂の分泌量が未熟です。そのため、バリア機能が弱く、わずかな刺激でも湿疹を起こしやすいのです。
  • 子供に特有の原因
    • よだれや食べこぼし
      • 手を口に持っていくことで、唾液に含まれる消化酵素や食べ物が刺激になります。
    • 指しゃぶり
      • 指が常に湿った状態になることで皮膚がふやけ、バリア機能が著しく低下します。
    • 外での遊び
      • 砂、泥、草木などが刺激となることがあります。
    • アトピー性皮膚炎
      • アトピー性皮膚炎の症状の一つとして、手に湿疹が出ることがよくあります。
  • ご家庭でのケアと受診の目安
    • よだれや汚れは、濡らしたガーゼでこすらずに優しく押さえるように拭き取ります。その後は必ず乾いたタオルで水分を拭き、すぐに低刺激性の保湿剤を塗りましょう。
    • かき壊しを防ぐため、爪は常に短く切っておくことが大切です。
    • しかし、赤みが強い、かゆそうで機嫌が悪い・眠れない、じゅくじゅくしている、黄色いかさぶたができているといった場合は、自己判断せず早めに皮膚科にご相談ください。

手湿疹は、適切な診断と治療、そして根気強いセルフケアが改善への道です。岩倉市にある当院では、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市などからも多くの患者様がお越しになります。つらい手の症状にお悩みの方は、我慢せずにぜひ一度ご相談ください。

市販薬で対処できる?病院を受診すべき症状の目安

症状がごく軽く、原因がはっきりしている場合は、市販薬で一時的に改善することもあります。しかし、自己判断での対応にはリスクも伴います。例えば、手湿疹だと思っていたら実はカビが原因の「手白癬(てはくせん)」だった場合、市販のステロイド薬を使うとカビを増殖させ、症状を悪化させる危険があります。

以下のチェックリストに当てはまる場合は、セルフケアで様子を見ずに、お早めに皮膚科を受診してください。

【皮膚科受診をおすすめする症状チェックリスト】

  • □ 強いかゆみで、夜眠れなかったり、日中の活動に集中できなかったりする
  • □ 指の側面や手のひらに小さな水疱ができ、じゅくじゅくしている
  • □ 皮膚が硬くゴワゴワになり、ひび割れて出血したり、水がしみて痛い
  • □ 市販薬を1週間使っても改善しない、もしくはかえって悪化した
  • □ 症状が指先だけでなく、手のひらや甲全体に広がっている
  • □ 何が原因で悪化しているのか、自分では見当がつかない

まとめ

単なる手荒れと思われがちな手湿疹ですが、悪化すると日常生活にも影響するつらい皮膚の病気です。

改善の鍵は、皮膚科での適切な「治療」と、バリア機能を守り育てる「セルフケア」という車の両輪です。特に、保湿や手袋の活用といった日々の小さな工夫が、再発を防ぎ、健やかな手肌を保つことに繋がります。

もし症状が長引いたり、市販薬で良くならなかったり、自己判断に迷ったりしたときは、決して一人で悩まないでください。専門家である皮膚科医に相談することが、つらい症状から抜け出すための一番の近道です。

岩倉市にある当院では、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市といった近隣の地域からも多くの患者様がお越しになります。お一人で悩まず、ぜひ一度、皮膚科専門医にご相談ください。

手荒れ(手湿疹)のよくある質問(FAQ)

Q

どのくらいで治りますか?

A

症状の程度や原因によって異なりますが、適切な治療と毎日のケアを続けることで、数週間〜数ヶ月で改善が期待できます。

Q

自分でできるケアは?

A

保湿保護が大切です。
手を洗った後や水に触れた後は、保湿剤を塗り、水仕事やガーデニングなどをする際には手袋を着用しましょう。

参考文献

  1. Yüksel YT, Symanzik C, Christensen MO, Olesen CM, Thyssen JP, Skudlik C, John SM, Agner T and Brans R. Prevalence and incidence of hand eczema in healthcare workers: A systematic review and meta-analysis. Contact dermatitis 90, no. 4 (2024): 331-342.

追加情報

[title]: Prevalence and incidence of hand eczema in healthcare workers: A systematic review and meta-analysis.

医療従事者における手湿疹の有病率と発症率:システマティックレビューとメタアナリシス 【要約】

  • 医療従事者(HCWs)は、湿った作業や職場でのアレルゲンとの接触により、手湿疹(HE)の発症リスクが高いとされる。
  • HCWsにおけるHEの有病率と発症率、またアレルギー性皮膚炎(AD)の有病率とHEの重症度をメタアナリシスするために、システマティックレビューとメタアナリシスを行った。
  • 2000年から2022年に公表された文献を事前に定義された選択基準に基づいて対象とした。
  • 18の研究が含まれており、自己申告によるHEの生涯有病率、1年有病率、点有病率はそれぞれ33.4%(95%信頼区間[CI]: 28.3-38.6)、27.4%(95% CI: 19.3-36.5)、13.5%(95% CI: 9.3-18.4)であった。
  • ADの有病率は15.4%(95% CI: 11.3-19.9)であった。
  • 全体的に、多くのHCWsが軽度のHEを報告していた。
  • 1つの研究では、HEの発症率が1000人年あたり34例であった。
  • 多くの研究がNew Ottawa Scaleを使用し、点有病率データのプールでは幅広いCIが示された。
  • 結論として、HCWsにおけるHEの高い有病率は、この職業グループのリスク増加と予防措置の必要性を強調している。
  • ただし、さらなる標準化された高品質な研究が必要である。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38186085

[quote_source]: Yüksel YT, Symanzik C, Christensen MO, Olesen CM, Thyssen JP, Skudlik C, John SM, Agner T and Brans R. “Prevalence and incidence of hand eczema in healthcare workers: A systematic review and meta-analysis.” Contact dermatitis 90, no. 4 (2024): 331-342.

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SUPERVISOR
監修者情報
岩倉きぼうクリニック院長
松原 章宏
院長 松原章宏
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