岩倉きぼうクリニック

うおのめ、たこ

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うおのめ・たこでお悩みの方へ

足の裏や指に感じる硬いしこりや痛みは、多くの方が経験する不快な症状ですが、「うおのめ」と「たこ」の違いを正確に理解されている方は少ないかもしれません。見た目は似ていても、実はその原因や適切なケアの方法は大きく異なります。

放置すると歩行に影響を及ぼしたり、体の他の部分に負担をかけたりする可能性も。例えば、安全靴を着用する労働者の約27%がうおのめに悩まされているという報告からも、足への負担は決して軽視できません。

当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせた適切な治療を提供します。

うおのめ(鶏眼)とたこ(胼胝)とは?

うおのめ(鶏眼)芯の有無と痛みの特徴

うおのめは、皮膚の特定の場所に繰り返し圧迫や摩擦が加わることで発生します。角質が異常に厚くなり、中心に「芯」と呼ばれる硬い部分が形成される症状です。この芯が皮膚の奥深くへと楔(くさび)のように食い込み、神経を刺激することで、特徴的な鋭い痛みを引き起こします。

うおのめには以下の特徴が見られます。

  • 見た目
    • 小さな円形や楕円形をしています。
    • 中央部に白っぽく半透明な「芯」が見えることがあります。
    • 芯の周りの皮膚も硬く、盛り上がって見えます。
  • 芯の有無
    • 必ず芯が存在します。
    • この芯が、痛みの主な原因となります。
  • 痛みの特徴
    • 圧迫が加わると、まるで釘が刺さったような鋭い痛みを感じることが多いです。
    • 特に、歩行時や体重がかかる時に強い痛みを伴います。

うおのめは、特定の点に集中した圧力がかかることで発生しやすい傾向です。放置すると、芯はさらに深部へと進行し、痛みが増強するだけでなく、歩行困難を招くこともあります。そのため、早期に適切な診断とケアを開始することが非常に重要です。

たこ(胼胝)広範囲な硬化と見た目の違い

たこは、うおのめと同様に皮膚の角質が厚くなる症状です。うおのめとは異なり、「芯」は形成されません。慢性的な摩擦や圧迫が比較的広範囲にわたって加わることで、皮膚の表面の角質が均一に厚く、硬くなる状態を指します。

これは、皮膚が外部からの持続的な刺激や摩擦から内部組織を保護しようとする、生体本来の防御反応です。

たこには以下の特徴が見られます。

  • 見た目
    • 黄色っぽい色をしており、広範囲に平坦に硬くなっています。
    • 表面はザラザラしていることもあります。
  • 芯の有無
    • 芯はありません。
    • 皮膚の表面全体が厚く硬化しています。
  • 痛みの特徴
    • 基本的には痛みを感じにくい症状です。
    • 特に長期間にわたり厚みを増した場合や、乾燥により硬い角質がひび割れると、圧迫感や鈍い痛みを伴うことがあります。
    • ひび割れが深くなると、出血や感染のリスクも生じます。

たこは、足の裏全体や指の関節など、広い範囲に摩擦や圧力がかかることで発生しやすい傾向です。日常生活で痛みを感じることは少ないかもしれませんが、見た目が気になる場合や、厚くなりすぎて歩行に影響が出る場合は適切なケアが必要となります。

うおのめができやすい場所と主な原因

うおのめは、足の特定の場所に繰り返し強い圧迫や摩擦が加わることで発生します。特にできやすい場所と、その主な原因を理解しておくことで、予防にもつながります。

うおのめができやすい場所

  • 足の裏
    • 足の指の付け根(特に第2指、第3指の付け根): 歩行時に体重が集中しやすい部分です。
    • かかと: 靴との摩擦や体重がかかることでできます。
  • 足の指
    • 足の指の側面: 靴と指が擦れることでできます。
    • 足の指の間: 指同士が圧迫し合うことでできます。

うおのめができる主な原因

  • 不適切な靴
    • サイズが合わない靴: 小さすぎる靴は指先を強く圧迫し、大きすぎる靴は足が靴の中で動き、摩擦の原因となります。
    • ヒールの高い靴: つま先に重心がかかるため、足の指の付け根に過度な圧迫を与えます。
    • 先の細い靴: 指を締め付け、指の側面や指の間に圧迫や摩擦を生じさせます。
    • 安全靴(Safety Footwear, SF)を着用する労働者の足に関する問題を評価した系統的レビューでは、不快感や足の痛み、そしてタコやうおのめといった皮膚病変が報告されています。安全靴は安全規制を遵守して設計されている一方で、その設計上の弱点が不快感や足のトラブルを引き起こすことが示唆されています。これは安全靴に限らず、日常的に履く靴にも当てはまることです。ご自身の足に合わない靴を履き続けることは、うおのめやたこの発生リスクを顕著に高めます。
    • タスクや作業環境に応じた靴選び、靴の重さ、水分透過のための通気性のある素材を選ぶことが重要です。また、最適なフィット感のある靴を選ぶことや、インソールの活用、足の関連する問題を予防するための教育プログラムなども考慮すべき点として挙げられます。
  • 足の変形
    • 外反母趾(がいはんぼし:足の親指の付け根が変形して外側に曲がってしまう状態)
    • 扁平足(へんぺいそく:足の裏のアーチが平らになってしまう状態)
    • ハンマートゥ(ハンマートゥ:足の指が曲がったままの状態になる変形)
    • これらの足の骨格の異常があると、特定の場所に過度な負担がかかりやすくなります。
  • 歩き方
    • 体重のかかり方が偏るような歩き方をしていると、特定の場所に繰り返し圧力が加わります。
    • その結果、うおのめができやすくなります。
  • 運動や活動
    • 長時間立ちっぱなしの仕事や、特定のスポーツ活動も、足に負担をかけます。
    • これもうおのめの原因となることがあります。

イボや水虫との見分け方・自己診断のポイント

足の裏にできる病変は、うおのめやたこだけでなく、イボ(尋常性疣贅)や水虫(足白癬)である可能性もあります。それぞれ原因も治療法も異なるため、正確な見分け方が非常に重要です。自己診断のポイントを知り、適切な対処につなげましょう。

症状 特徴 表面の見た目
うおのめ
たこ
イボ (尋常性疣贅)
水虫 (足白癬)

自己診断のポイント

  • 痛み方
    • 圧迫した時に痛む場合は、うおのめの可能性が高いです。
    • かゆみが主であれば、水虫を疑います。
  • 見た目
    • 芯が見えるかどうかを確認します。
    • 表面がザラザラしているか、広範囲に硬化しているかなどを確認します。
  • 広がり方
    • 単発でできるか、多発したり広がる傾向があるかなども判断材料になります。

自分で判断が難しい場合は、自己処置で悪化させてしまう前に、必ず皮膚科専門医にご相談ください。誤った自己判断や自己処置は、症状を悪化させるだけでなく、感染症などの新たな問題を引き起こす可能性もあります。

病院受診の目安となる症状とは

足の裏の痛みや見た目の変化は、時に深刻な病気のサインであることもあります。以下の症状が見られる場合は、早めに皮膚科を受診し、専門医の診断と適切な治療を受けることをおすすめします。

病院受診を検討すべき症状

  • 痛みが強い場合
    • 歩行が困難になるほど、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合。
    • 安静時にも痛みが続くような場合。
  • 症状が悪化している場合
    • 市販薬の使用や自己ケアを続けても改善が見られず、むしろ悪くなっていると感じる場合。
  • 自己処置で炎症や出血を起こした場合
    • 自分で削ったり針でつついたりした結果、赤く腫れたり、出血したり、膿(うみ)が出たりしている場合。
    • 感染症のリスクがあるため、特に注意が必要です。
  • 広範囲にわたる病変の場合
    • 複数のうおのめができていたり、広範囲にわたるたこができていたりする場合。
    • 根本的な原因の特定と改善が必要です。
  • 基礎疾患がある場合
    • 糖尿病や膠原病(こうげんびょう:全身の複数の臓器に炎症や障害が起きる自己免疫疾患)などの持病がある方は、足のトラブルが悪化しやすく、感染症のリスクも高まります。
    • 神経障害があると痛みを感じにくく、重症化しやすいことがありますので、特に早期の受診が必要です。
  • 見た目で判断に迷う場合
    • うおのめ、たこ、イボ、水虫などの鑑別が自分でできない場合。
    • 誤った治療は症状を悪化させる原因になります。
  • 小児の場合
    • お子様の足のトラブルは、成長期の足の形成に影響を与える可能性があるため、皮膚科専門医の診察を受けることが望ましいです。

当院は皮膚科専門医として、足のトラブル全般に対して的確な診断と適切な治療を提供しています。岩倉市はもちろん、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい場所にございますので、足の裏のしこりや痛みでお悩みでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。

放置はNG!うおのめの効果的な治療法と治し方

足の裏や指にできるうおのめは、歩くたびに痛みを伴い、日常生活に大きな影響を与えることがあります。多くの方が「たかがうおのめ」と放置してしまいがちですが、これは非常に危険な行為です。痛みが強くなるだけでなく、深部に進行したり、他の足のトラブルを招いたりする可能性もあります。例えば、特定の作業環境で安全靴(セーフティーフットウェア)を着用する労働者の約27%がうおのめに悩まされているという報告もあり、足への負担は想像以上に大きいものです。放置せずに適切な治療を受けることで、不快な痛みから解放され、快適な毎日を取り戻すことができます。

皮膚科で行ううおのめの主な治療法

皮膚科では、うおのめの状態や深さ、患者さんのご希望を詳しくお伺いした上で、最適な治療法をご提案します。主に次の3つの方法があります。

  1. メスや専用器具による削り取り(外科的処置)
    • 方法
      • 専用のメスや特殊な器具を使用し、硬くなった角質と中心にある「芯(角質柱:かくしつちゅう)」を丁寧に削り取ります。
      • 芯が皮膚の奥深くへ食い込んでいる場合でも、これをしっかりと除去することで、痛みの原因を取り除きます。
    • 特徴
      • 比較的小さなうおのめや、芯がはっきりと確認できる場合に効果が期待できます。
      • ほとんどの場合、局所麻酔(きょくしょますい:体の特定の部分だけ痛みを感じなくさせる麻酔)を使わずに処置が可能ですが、痛みに敏感な方や芯が深い場合には、麻酔を施すこともあります。
      • 施術時間は短く、多くの場合、処置直後から痛みの軽減を実感できます。
    • 保険適用
      • 健康保険が適用される一般的な治療法です。
    • 注意点
      • 処置後は一時的に患部が敏感になることがありますが、数日で落ち着くことがほとんどです。
  2. サリチル酸製剤による角質溶解療法
    • 方法
      • 高濃度のサリチル酸が配合された医療用薬剤(軟膏や貼り薬)を用いて治療します。
      • サリチル酸には硬くなった角質を柔らかくし、剥がれやすくする「角質溶解作用(かくしつようかいさよう)」があります。
      • ご自宅で継続して薬剤を塗布または貼付していただく治療法です。
    • 特徴
      • メスを使わないため、外科的な処置に抵抗を感じる方にも適しています。
      • 時間をかけて徐々に硬い角質を取り除いていくため、即効性はありません。
      • 深く根を張ったうおのめに対しても、根気強く続けることで効果が期待できます。
    • 保険適用
      • 医療用医薬品として処方されるため、健康保険が適用されます。
    • 注意点
      • 薬剤がうおのめ周囲の健康な皮膚に付着すると、刺激感や炎症を引き起こすことがあります。
      • 医師の指示に従い、正しい方法で使用することが非常に重要です。

市販薬(スピール膏など)の正しい使い方と注意点

市販薬の代表格であるスピール膏などは、サリチル酸の角質を柔らかくする作用を利用した製品です。正しく使用すれば、軽度のうおのめに対してある程度の効果は期待できます。しかし、自己判断での使用には十分な注意が必要です。

  • 正しい使い方
    • 貼る範囲
      • うおのめの硬い部分にのみ薬剤が当たるように、絆創膏の大きさを調整して貼ります。
      • 健康な皮膚に薬剤が触れないように細心の注意を払ってください。
    • 交換頻度
      • 製品の説明書に記載された頻度に従い、数日おきに新しいものに貼り替えます。
      • 入浴などで皮膚が柔らかくなった時に、白くふやけて剥がれやすくなった部分を優しく除去すると、効果が高まることがあります。
    • 使用期間
      • 長期間にわたる使用は避け、数週間使用しても症状が改善しない場合は、速やかに皮膚科を受診してください。
  • 注意点
    • 健康な皮膚への影響
      • サリチル酸はうおのめだけでなく、健康な皮膚にも作用し、炎症や「かぶれ(接触皮膚炎:せっしょくひふえん)」を引き起こす可能性があります。
      • 皮膚が赤くなったり、かゆみや痛みがでたりした場合は、すぐに使用を中止してください。
    • 感染のリスク
      • 糖尿病をお持ちの方などでリスクが高いです。スピール膏のしてでジュクジュクに感染を起こしていることも多くあるので、自己判断での使用は推奨しません。
      • 足は常に地面に接し、細菌感染のリスクが高い部位です。
    • 診断の重要性
      • うおのめだと思って市販薬を使用しても、実は「イボ(尋常性疣贅:じんじょうせいゆうぜい)」や他の皮膚疾患である可能性も少なくありません。
      • 自己判断で市販薬を使用し、症状を悪化させてしまうケースも残念ながら多く見られます。
    • 効果が出ない場合
      • 市販薬を使用しても症状が全く改善しない、あるいは悪化していると感じる場合は、直ちに使用を中止してください。
      • 特に強い痛みが続く場合や、患部が赤く腫れている場合は、早めに皮膚科専門医の診察を受けることが大切です。

自分で削るケアの危険性とリスク

うおのめが気になり、ご自宅で自己流に削って対処しようとする方は少なくありません。しかし、これは非常に危険な行為であり、多くのリスクを伴います。安易な自己処置は、症状をかえって悪化させてしまう可能性が高いことをご理解ください。

  • 感染症のリスク
    • ご家庭にあるハサミ、爪切り、カミソリなどは、医療器具とは異なり、十分に滅菌(めっきん:細菌やウイルスを完全に除去すること)されていません。
    • これらで皮膚を削ると、傷口から細菌が侵入し、化膿や深刻な炎症を引き起こす可能性があります。
    • 足は常に外部環境にさらされており、感染のリスクが特に高い部位です。
  • 削りすぎによる損傷と痛み
    • うおのめの芯の深さや広がりは、素人目には正確に判断することが困難です。
    • 深く削りすぎてしまうと、健康な皮膚組織まで傷つけてしまい、出血を伴うことがあります。
    • 結果として、うおのめによる痛みよりもはるかに強い激しい痛みが生じたり、歩行が困難になったりする可能性もあります。
  • 症状の悪化と再発
    • すぐにうおのめが再発してしまい、長期的な症状に悩まされることになります。
    • また、誤った方法で削る行為自体が、皮膚にさらなる刺激を与え、角質層をさらに厚くしてしまうという悪循環を招くこともあります。
  • 基礎疾患がある方の危険性
    • 糖尿病(とうにょうびょう)や膠原病(こうげんびょう:全身の複数の臓器に炎症や障害が起きる自己免疫疾患)などの持病をお持ちの方は、特に足のトラブルが悪化しやすい傾向にあります。
    • 足の神経障害があると痛みを感じにくく、知らず知らずのうちに重症化させてしまう危険性があります。
    • 血行不良がある場合は、傷が治りにくく、感染症が重篤な合併症につながる可能性もあります。
    • このような方が自分でうおのめを削ると、重篤な感染症や「潰瘍(かいよう:皮膚が深くえぐれる状態)」、さらには壊疽(えそ:組織が死んでしまうこと)に至る危険性もあるため、絶対に自己処置は避けてください。必ず皮膚科を受診し、専門医の適切な処置を受けることが必要です。

子供のうおのめ治療:大人との違いと対処法

お子さんの足にうおのめができると、保護者の方は心配になるでしょう。子供の足は成長段階にあり、大人の足とは異なるデリケートな特徴を持っています。そのため、子供のうおのめ治療には、大人とは異なる配慮が必要です。

  • 皮膚のデリケートさ
    • 子供の皮膚は大人に比べて薄く、非常にデリケートです。
    • 大人の治療で一般的に使われる高濃度の薬剤や、刺激の強い処置は、子供の皮膚には負担が大きすぎる場合があります。
    • 不適切な処置は、皮膚炎や傷跡を残すリスクを高めることになります。
  • 成長期の影響
    • 足の骨格や筋肉はまだ発達途上にあります。
    • サイズの合わない靴や、特定の歩き方の癖が、うおのめの主な原因となることがあります。
    • 成長に伴って足の形も絶えず変化するため、定期的な足のサイズ確認と、それに合わせた靴選びが非常に重要です。
  • 痛みへの感受性
    • 子供は大人よりも痛みに対して敏感に反応することが多いです。
    • 治療による痛みや恐怖心を抱かせないよう、できるだけ痛みの少ない方法や、精神的な負担が少ないアプローチが求められます。

子供のうおのめへの対処法

  1. まずは皮膚科を受診する
    • お子さんの足のトラブルは、見た目だけではうおのめと判断しにくいケースが少なくありません。
    • イボ(尋常性疣贅)など、他の皮膚疾患である可能性も十分に考えられます。
    • 自己判断で市販薬を使用したり、自己処置を試みたりする前に、必ず皮膚科専門医の診察を受けてください。
  2. 優しい治療法の選択
    • 皮膚科では、お子さんの皮膚の状態や年齢を考慮し、刺激の少ない薬剤の選択や、痛みを伴わない慎重な削り取りなど、安全で負担の少ない治療法を選択します。
  3. 靴の定期的な見直し
    • 子供のうおのめの最も一般的な原因の一つは、足に合わない靴です。
    • 定期的に足のサイズを測り、成長に合わせて適切なサイズの靴を選んであげることが非常に重要です。
    • つま先に十分な余裕があり、足の甲の部分がしっかりフィットし、通気性の良い素材の靴を選ぶように心がけましょう。

費用について

当院では、保険適応で以下の治療を行っています。

      • メスや専用器具による削り取り、および医師が処方するサリチル酸製剤の使用は、健康保険が適用されます。
      • 患者さんの自己負担割合(1割、2割、3割)に応じた費用がかかります。
      • 診察料や処置料を含めて、一般的には数千円程度が目安となることが多いです。

痛みについて

    • 削り取り処置
      • 多くのケースでは麻酔なしで行なえます。
      • 処置中は多少の圧迫感や軽い痛みを感じることはありますが、我慢できないほどの強い痛みではありません。
    • サリチル酸製剤
      • 薬剤による刺激で、軽度のかゆみやヒリヒリ感を感じることが稀にあります。
      • 異常を感じた場合は、すぐに医師にご相談ください。
    • 治療後の変化
      • 治療後は、歩く際の痛みが軽減され、日常生活が送りやすくなることを実感していただけるでしょう。

うおのめは、ただ痛いだけでなく、特定の作業環境(例えば、安全靴を着用する労働者)で約27%の割合で発生するという報告があるように、日々の生活環境や仕事内容と密接に関連している足のトラブルです。治療を行うだけでなく、その原因を見直すことも再発防止には不可欠です。

当院は皮膚科専門医として、患者さんの足のトラブルを総合的に診断し、最適な治療と今後の生活におけるアドバイスを提供しています。岩倉市はもちろん、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい場所にございますので、足の裏のしこりや痛みでお悩みでしたら、お一人で抱え込まず、ぜひ当院にご相談ください。皮膚科専門医が丁寧に診察し、適切な治療で足の悩みを解決するお手伝いをいたします。

うおのめができる根本原因と生活習慣の改善

    • うおのめやたこは、足の特定の場所に持続的な摩擦や圧力が加わることで発生します。この「足への負担」には、大きく分けて二つの要因が複雑に絡み合っています。

      • 内在性の要因
        • 患者様ご自身の足の骨格
        • 歩き方の癖や重心のかかり方
        • 足指の変形(外反母趾:がいはんぼし や ハンマートゥなど)
        • 加齢による足のアーチの低下
      • 外在性の要因
        • 日常的に履いている靴
        • 長時間の立ち仕事や歩行
        • 特定のスポーツ活動による足への負荷

      これらの要因は、一人ひとりのライフスタイルと密接に関わっています。例えば、特定の作業環境で安全靴(セーフティーフットウェア)を着用する労働者では、足のトラブルが頻繁に報告されています。ある系統的レビューによると、安全靴を履く労働者の約27%がうおのめに悩んでいるというデータがあります。安全靴は安全規制を遵守して設計されている一方で、その重さや柔軟性の不足、通気性の悪さなどが、長時間の着用によって足に過度な負担をかけていることが原因の一つとされています。

      この事例からもわかるように、私たちの足は日々の生活の中で想像以上に大きな負担を受けています。うおのめやたこの再発を防ぐためには、このような足への負担を軽減し、日々の生活習慣を見直すことが不可欠です。

      • 足の健康を保つための生活習慣の改善
        • 足のバランスを整える運動を取り入れる
          • 足指のグー・パー運動を習慣にしましょう。
          • 足首をゆっくり回すストレッチも有効です。
          • これにより、足全体の筋肉をバランス良く使い、特定の場所への負担を減らすことができます。
        • 長時間の立ち仕事や歩行の際は休憩を挟む
          • 同じ姿勢が続くと、足の特定の部位に圧力が集中しやすくなります。
          • 休憩中は椅子に座り、足を高く上げて血行を促すことを意識してください。
        • 体重管理を行う
          • 過体重は足にかかる負担を著しく増加させます。
          • 適正体重の維持は、足のトラブル予防に直結します。
        • 入浴時に足の観察習慣を持つ
          • 毎日、足の状態を注意深く確認しましょう。
          • 小さな赤みや硬化、水ぶくれなど、わずかな変化でも早期に気づくことが大切です。

足に優しい靴の選び方

うおのめやたこの予防において、最も重要で具体的な対策の一つが「足に合った靴選び」です。

  • 【足に優しい靴選びのポイント】
    • 正しいサイズの把握
      • 長さ
        • つま先に1cm程度の余裕があるか確認しましょう。
        • 足指が靴の先端に当たらないことが重要です。
      • 幅(ワイズ)
        • 足の横幅が窮屈でないか確認してください。
        • 足の指が自然に広がるスペースがあることが理想です。
      • 甲の高さ
        • 甲の部分が圧迫されず、適度にフィットしているか確かめましょう。
        • 緩すぎても足が靴の中で動き、摩擦の原因となります。
      • 試着のタイミング
        • 足がむくみやすい夕方に試着することをおすすめします。
        • 必ず両足で店内を歩き、違和感がないかじっくりと確認してください。
    • 素材の選択
      • 通気性の良い素材
        • 革やメッシュなど、汗を逃がして蒸れにくい素材を選びましょう。
        • 足が蒸れると皮膚が柔らかくなり、摩擦によるトラブルを招きやすくなります。
      • 柔軟性のある素材
        • 足の動きに合わせて無理なく曲がる柔軟な素材は、足への負担を軽減します。
    • ヒールの高さ
      • 理想的なのは3cm程度の低めのヒールです。
      • 高すぎるヒールはつま先に重心が集中し、足の指の付け根に過度な圧力をかけ、うおのめの原因となります。
    • つま先の形
      • 足の指が自然に広がる、ゆとりのある丸いつま先の靴を選びましょう。
      • 先の細い靴は、指同士の摩擦や圧迫を引き起こし、うおのめを誘発します。
    • クッション性と安定性
      • 靴底に適切なクッション性があるか確認してください。
      • 歩行時の衝撃を吸収してくれるものは、足への負担を和らげます。
      • また、かかとがしっかりホールドされ、安定感があることも大切です。

とはいえ、自分にあった靴を探すのは大変むずかしいです。当院では、靴選びについてはシューフィッターという”足と靴の健康協議会”さんで認定された方がいる、店舗で相談して、靴を購入するように勧めています。上記のリンクから、ご自宅そばの、シューフィッターを検索いただけます。

専門医が教えるフットケア

日々の適切なフットケアは、うおのめやたこが再発しない健康な足を作るために欠かせません。

  • 【日常的なフットケアの習慣】
    • 清潔に保つ
      • 毎日、石鹸を使って足を丁寧に洗いましょう。
      • 特に指の間や爪の周りまで、汚れをしっかりと洗い流すことが大切です。
    • しっかりと乾燥させる
      • 洗った後は、清潔なタオルで水気を丁寧に拭き取ります。
      • 指の間も忘れずにしっかりと乾燥させてください。
      • 湿った状態は、白癬菌(はくせんきん:水虫の原因となるカビの一種)などの菌の繁殖や皮膚トラブルの原因になります。
    • 保湿する
      • 入浴後など、足が清潔で皮膚が柔らかい状態のときに、保湿クリームを塗って足の皮膚の潤いを保ちましょう。
    • 定期的な足の観察
      • 毎日、足の裏、指の間、かかとなどを注意深く観察する習慣をつけましょう。
      • 赤み、腫れ、皮膚の硬化、小さな傷などがないか確認し、早期発見に努めることが早期治療につながります。
  • 【再発防止のための専門的な対策】
    • 定期的な皮膚科でのチェック
      • うおのめやたこは、自己判断が難しいケースが少なくありません。
      • また、自己処理による症状の悪化や感染のリスクもあります。
      • 定期的に皮膚科を受診し、専門医による正しい診断と適切なケアを受けることで、再発のリスクを大幅に低減できます。
      • 私たち皮膚科医は、患者様の足の状態に合わせた専門的な角質ケアや、必要に応じた治療を行います。
    • 足の運動やストレッチ
      • 足の指を意識的に動かす運動や、アキレス腱のストレッチなどを習慣にすることで、足の柔軟性を高めましょう。
      • これにより血行が促進され、うおのめやたこができにくい健康な足を目指すことができます。

糖尿病など持病がある場合の注意点

糖尿病をお持ちの方は、うおのめやたこの予防、および治療において特に慎重な対応が必要です。糖尿病が足に与える影響と、それに対する具体的な注意点を深く理解しておくことが、足の健康を守る上で極めて重要となります。

  • 【糖尿病が足に与える特有の影響】
    • 神経障害(しんけいしょうがい)
      • 糖尿病の合併症として神経障害が進行すると、足の感覚が鈍くなります。
      • これにより、痛みや熱さ、冷たさを感じにくくなります。
      • その結果、靴擦れや小さな傷、うおのめなどの足のトラブルが悪化しても、患者様ご自身が気づきにくくなるという問題が生じます。
    • 血行障害(けっこうしょうがい)
      • 糖尿病によって足の血管が細くなったり詰まったりすると、足先への血流が悪くなります。
      • 傷ができてしまっても治りにくくなり、感染症にかかりやすくなるリスクが高まります。
    • 免疫力の低下(めんえきりょくのていか)
      • 糖尿病の患者様は、感染症に対する抵抗力が低下しがちです。
      • 足の小さな傷やうおのめから細菌が侵入すると、重症化しやすくなります。
      • 最悪の場合、足の切断につながることもありますので、細心の注意が必要です。
  • 【糖尿病患者さんが実践すべき具体的な注意点】
    • 毎日の足の徹底した観察
      • 足の感覚が鈍くなっている可能性があるため、毎日入浴時などに足全体を注意深く観察しましょう。
      • 小さな傷、赤み、腫れ、水ぶくれ、皮膚の色の変化、うおのめやたこの硬化などがないか確認してください。
      • 必要であれば鏡を使うか、ご家族に協力してもらい、足の裏や指の間までくまなくチェックしましょう。
    • 軽微な変化でもすぐに受診する
      • ほんの小さな足の変化であっても、決して放置せず、早めに皮膚科や糖尿病を診ている主治医にご相談ください。
      • 自己判断で市販薬を使用したり、自分で削ったりすることは、絶対に避けるべき行為です。
    • 足に合った靴と靴下の選択
      • 足を締め付けない、通気性の良い靴を選びましょう。
      • 縫い目のない綿素材や、吸湿性の高い靴下を着用することも大切です。
      • 新しい靴を履く際は、短時間から試し、靴擦れがないかこまめに確認することが重要です。
    • 専門医との連携
      • 糖尿病の治療と並行して、定期的に皮膚科を受診し、足の専門的なケアやアドバイスを受けましょう。
      • 当院では、院長が江南厚生病院勤務していた時に、フットケアに対して勢力的に治療を行っていました。
      • 糖尿病をお持ちの患者様の足のトラブルに対しても、細心の注意を払い、安全かつ適切な治療を提供いたします。

まとめ

うおのめやたこの痛み、そしてその見た目の悩みは、日々の生活の質を大きく左右するものです。もしあなたが足のトラブルを抱え、「どこに相談したら良いかわからない」と一人で悩んでいるのであれば、ぜひ当院にご相談ください。当院は岩倉市に位置しており、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市など周辺地域からもアクセスしやすい皮膚科・美容皮膚科です。

当院では、皮膚科専門医が患者様一人ひとりの足の状態を診察し、最適な治療法をご提案いたします。糖尿病などの持病をお持ちの患者様についても、江南厚生病院でのフットケアの経験を活かし、安全な治療を提供いたしますので、ご安心ください。

「病院での治療は痛いのか、保険は適応されるのか」、「仕事や学業、スポーツ活動に影響が出ている」といった、患者様が抱えるなニーズに答え、足の健康を通じて充実した生活を送れるようサポートすることをお約束いたします。

私たちは、皆様が足のトラブルから解放され、毎日を快適に、そして自信を持って過ごせるよう、地域のかかりつけ医として尽力しています。ご自身の足の状態に不安を感じている方、うおのめやたこの再発に悩んでいる方は、どうぞお気軽にご来院ください。皮膚科専門医が丁寧に診察し、適切な治療と専門的なアドバイスで、あなたの足の悩みを解決するお手伝いをさせていただきます。

魚の目、たこのよくある質問(FAQ)

Q

魚の目とたこの違いは?

A

魚の目には芯があり、痛みを伴うことが多いです。たこには芯がなく、痛みは比較的少ないです。
ご自身で判断が難しい場合は、お気軽にご相談ください。

Q

治療は痛いですか?

A

剃刀による治療は、痛みはほとんどありません。安心してご相談ください。

参考文献

  1. Arceri A, Mazzotti A, Liosi SG, Zielli SO, Artioli E, Golinelli D, Brognara L and Faldini C. “What’s the Impact of Safety Footwear on Workers Concerning Foot-Related Problems? A Systematic Review.” Healthcare (Basel, Switzerland) 12, no. 15 (2024).

追加情報

[title]: What’s the Impact of Safety Footwear on Workers Concerning Foot-Related Problems? A Systematic Review.

[summary]: ## 【タイトル】 安全靴が労働者の足に関する問題に与える影響:系統的レビュー

【要約】

  • 本研究は、安全靴(SF)が労働者の足に関する問題、特に不快感、足の痛み、皮膚病変に与える影響を評価することを目的とした。
  • PubMed、Embase、Scopus、Cochraneデータベースを検索し、PRISMAガイドラインに従って、SFを着用した労働者の足に関する問題を報告した研究を対象とした。
  • 英語以外の論文、レビュー、実験室および動物研究、専門家の意見、編集への手紙、およびグレー文献は除外された。品質評価はニューカッスル・オタワスケールを使用して実施された。記述統計を用いてデータを提示した。
  • 初期の検索結果では483件の論文が得られ、7件の論文がレビュープロセスに含まれた。SFの種類は多岐にわたるにもかかわらず、すべての研究で一貫して症状性の不快感と痛みが報告された。
  • 不快感の要因には、熱、発汗、重さ、靴の柔軟性などが含まれ、つま先、つま先キャップ、中足骨-つま先しわ領域に主な問題が見られた。痛みの有病率は、さまざまな解剖学的領域で42.3%から60.8%の範囲だった。
  • 刺激性接触皮膚炎が最も一般的な(97.9%)足の皮膚病であったが、その他の足の病変も報告された:乾燥肌(30.2%)、タコ(30%)、硬い爪(28%)、うおの目(27%)、水ぶくれ。
  • 現在のSFは、安全規制を遵守するように設計されているが、不快感や足のトラブルが頻繁に発生することの影響を受けている。文献レビューでは、特定の設計機能における弱点が明らかになった。
  • SFの開発を改善するための推奨事項が提案されている。これらには、タスクの遂行と作業環境、靴の重量、水分透過のための通気性のある素材に基づいて、特定の種類とデザインのSFを選択することなどが含まれる。
  • 長時間立っている人のための最適なフィット感、インソールの使用、特に足の関連する問題を予防するための教育プログラムなども考慮する必要がある。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39120225

[quote_source]: Arceri A, Mazzotti A, Liosi SG, Zielli SO, Artioli E, Golinelli D, Brognara L and Faldini C. “What’s the Impact of Safety Footwear on Workers Concerning Foot-Related Problems? A Systematic Review.” Healthcare (Basel, Switzerland) 12, no. 15 (2024): .

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岩倉きぼうクリニック院長
松原 章宏
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