口まわりのかゆみ
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口の周りのかゆみ：その原因と当院での治療法について
「口周りがかゆい…」「赤みやブツブツができて、マスクで隠せない…」
口周りのかゆみや肌荒れは、見た目の問題だけでなく、食事や会話のたびに気になり、日常生活に大きなストレスを与えます。
単なる乾燥だろうと自己判断して保湿をしても改善しなかったり、症状がぶり返したりすることはありませんか？
口周りの皮膚は非常にデリケートで、かゆみの原因は多岐にわたります。
当院でも、試行錯誤して治せないということはありうる疾患です。
当ページでは、皮膚科専門医が、口周りのかゆみの原因から、適切な治し方、ご自宅でできるケア方法まで、詳しく解説します。
目次
口周りがかゆい！その原因は？
口周りの皮膚のかゆみは、様々な原因が考えられます。原因を特定することで、適切な治療とケアにつながります。
1. 口周りの皮膚の刺激による湿疹
口唇（くちびる）の周りの皮膚は、顔の中でも特に皮脂腺が少なく、バリア機能が低下しがちです。
そのため、外部からの刺激に弱く、乾燥しやすい傾向にあります。
また、食事やマスクの摩擦、よだれ、歯磨き粉など、日常的に多くの刺激を受ける部位でもあり、外的刺激による湿疹が起きやすいです。
２. 口囲皮膚炎
口囲皮膚炎は、口の周りに小さな赤みやブツブツが多発する皮膚炎です。
酒さに近い病態と考えられています。
ステロイド外用薬を長期間使用したことが原因で発症することが多く、薬の使用を止めると、リバウンド現象といって、悪化する傾向があるため、自己判断で中断せずに皮膚科を受診してください。
外用薬：ロゼックスゲル
内服薬：クラリスロマイシン錠
治療期間：3週間
３. カンジダ性口囲皮膚炎
カンジダ菌という真菌（カビの一種）が原因で起こる皮膚炎です。
口周りが赤くただれ、ジュクジュクした状態になることもあります。
特に、よだれが口周りにつきやすい方や、免疫力が低下している方に合併しやすい傾向があります。
カンジダ菌はステロイド外用薬で悪化することがあるため、自己判断で市販薬を使用することは避けてください。
皮膚科医でも、一度の診察で診断するのがむずかしいことが多いです。
自分でできる応急処置と注意点
かゆみを感じたとき、まずは以下の点に注意してください。
かかない：かゆくても、かきむしると症状が悪化し、治りが遅くなります。
保湿をする：刺激の少ないワセリンや保湿クリームを優しく塗布し、乾燥を防ぎます。
外的刺激を避ける：歯磨き粉や刺激の強い食べ物、化粧品の使用を一時的に中止します。
清潔を保つ：汗やよだれはこまめに優しく拭き取り、清潔に保ちましょう。
当院での治療法
原因が多岐にわたる口周りのかゆみは、自己判断で市販薬を使用すると悪化するケースもあります。
特に口囲皮膚炎はステロイドをぬることで悪化します。
早めに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせて以下の治療を行います。
診断：皮膚科専門医が症状から、治療法を組み立てます。
外用薬の処方：
かゆみ・炎症：ステロイド外用薬や非ステロイド性抗炎症薬
乾燥：保湿剤
カンジダ：抗真菌薬
内服薬の処方：かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を処方します。
口周りのかゆみを予防するためのポイント
保湿ケア：洗顔後や乾燥を感じたときは、保湿剤を塗りましょう。
優しい洗顔：肌をゴシゴシこすらず、ぬるま湯と低刺激の洗顔料で優しく洗いましょう。
食後のケア：食後は口周りに食べ物が残らないように、丁寧に拭き取ってください。
歯磨き粉の見直し：使用している歯磨き粉が原因の可能性がある場合は、フッ素などの少ないものに変えてみましょう。
口周りを刺激しない：口周りをなめる癖がある人は避けましょう。
口周りのかゆみに関するよくある質問（Q&A）
市販薬を塗っても治りません。どうしたらいいですか？
市販薬では原因に合わない可能性や、症状が悪化する可能性があります。
特にステロイドは口囲皮膚炎やカンジダ菌による症状を悪化させる恐れがありますので、早めに皮膚科を受診してください。
歯磨き粉が原因で口周りがかゆくなることはありますか？
はい。歯磨き粉に含まれる香料や発泡剤などが原因で、接触性皮膚炎を起こすことがあります。
愛知県岩倉市大地新町1丁目76