粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤(ふんりゅう)とは?
「これ、ニキビかな?」と放置していませんか?もしかしたら、それは粉瘤かもしれません。
粉瘤(ふんりゅう)は、「おでき」や「できもの」と間違えられやすいですが、皮膚の下に袋状の組織ができ、中に皮脂や角質がたまることによってできる良性のしこりです。
ニキビにも似ていますが、数か月しても改善しない場合は粉瘤を疑います。体のどの部位にも発生する可能性がありますが、特に顔や背中、首、胸などによく見られます。
炎症が起きる前の治療が重要です 粉瘤が炎症を起こしてしまうと、痛みや腫れが強くなるだけでなく、炎症がおさまってからでないと根本的な手術ができません。そのため、なるべく早い段階でのご相談をお勧めしています。
炎症を繰り返すと周囲と癒着し、手術も難しくなり、臀部などで巨大化するとまれにガンの発生母地となるので注意が必要です。
粉瘤の見た目の特徴
- 盛り上がり
- 皮膚がドーム状に盛り上がり、やわらかいしこりのように触れます。
- その硬さは、内容物の量や炎症の有無によって異なります。
- 黒い点(開口部)
- 中央部分に小さな黒い点、いわゆる「ヘソ」と呼ばれる開口部が見られることがあります。
- この開口部は、粉瘤の診断において重要な手がかりとなります。
- 開口部からは、独特の臭いを伴う内容物が出てくることもあります。
- 大きさ
- 数ミリ程度の小さなものから、数センチ、時にはそれ以上に大きくなることもあります。
- 時間とともに少しずつ大きくなる傾向があります。
できやすい部位 粉瘤は、実は全身のどこにでもできる可能性があります。特に顔、首、耳の裏、背中、わき、陰部など、皮脂腺が多い部位や、摩擦を受けやすい部位によく発生します。毛が密集している頭皮にできることも珍しくありません。これらの部位は、皮脂分泌が活発であったり、外部からの刺激を受けやすかったりするため、粉瘤ができやすいと考えられています。
- 盛り上がり
粉瘤の原因
粉瘤は、毛穴の出口が塞がることや皮膚の傷が原因となって発生します。体質や生活環境も影響する場合がありますが、明確な予防法は確立されていません。
表皮や毛包漏斗部由来の上皮成分が真皮内に侵入することが原因です。それが増殖し、袋状となり、中に皮脂や角質がたまり大きくなります。体質や生活環境も影響する場合がありますが、明確な予防法は確立されていません。
皮膚科で行われる粉瘤の詳しい診断方法
粉瘤の診断は、患者さんの症状を正確に把握することから始まります。主に問診、視診、触診といった診察に加え、必要に応じてエコー検査や病理検査を組み合わせて行われます。これらの情報を総合的に判断することで、他の皮膚疾患との鑑別を行い、最適な治療へとつなげます。
1. 問診と視診・触診で粉瘤の「顔」を詳しく観察する
- 問診
- 患者さんがいつごろから、どこにしこりがあるのかを詳しくお伺いします。
- 大きさの変化、痛みや腫れの有無、以前にも同様のものができたことがあるかなども確認します。
- これらの情報は、粉瘤の現在の状態や進行度を把握するために非常に重要です。
- 視診
- しこりの大きさ、色、皮膚表面の様子などを肉眼で確認します。
- 中央部分に小さな黒い点、いわゆる「ヘソ」と呼ばれる開口部が見られることもあります。
- この開口部は、粉瘤の診断において特徴的な手がかりの一つです。
- 開口部から白い内容物や独特なにおいの分泌物が出ているかどうかも確認します。
- 触診
- しこりの硬さ、皮膚とのくっつき具合、周囲との境界の明瞭さ、動きやすさなどを丁寧に確認します。
- 触ったときの感触から、内容物の性状や炎症の有無を推測できます。
- 皮膚科専門医は、しこりの奥の状態を指先の感覚で細かく探っています。
- 問診
2. エコー検査(超音波検査)で粉瘤の「内部」を可視化する
- エコー検査は、しこりの内部をリアルタイムで確認できる非侵襲的な(体を傷つけない)検査です。
- 粉瘤の袋状の構造(嚢胞:のうほう)や内容物、大きさ、深さなどを詳しく調べることができます。
- 良性の粉瘤であるか、あるいは他の皮膚腫瘍との鑑別にも役立つ重要な検査です。
- 体への負担が少ないため、多くのケースで積極的に実施しています。
3. 病理検査で「確定診断」と「悪性化」のリスクを評価する
- 粉瘤を切除した際には、最終的な確定診断のために、その組織を顕微鏡で詳しく調べる病理検査を行います。
- 粉瘤は基本的に良性腫瘍ですが、ごくまれに皮膚のがんである「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」へ悪性転化することが報告されています。
- 扁平上皮癌とは、皮膚の表面を構成する細胞(扁平上皮細胞)ががん化する病気です。
- ある研究(Kim et al., 2020)によると、粉瘤から扁平上皮癌に進行した患者さんの平均年齢は57.3歳、粉瘤が存在してから悪性化するまでの平均潜伏期間は15.4年であったと報告されています。
- このことから、長期間放置された粉瘤には特に注意が必要であることがわかります。
- 特に、以前に粉瘤の切除やドレナージ(膿を出す処置)を受けたことがある方で、再発を繰り返している場合や、慢性腎臓病やがんなどで免疫力が低下している方は、この悪性化のリスクにより注意が必要です。
- 皮膚科専門医として、このような稀なケースを見逃さないためにも、病理検査は非常に重要な役割を担います。
- 患者さんに最適な治療方針をご提案するためにも、必要に応じて病理検査を推奨しています。
治療方法
粉瘤の治療は、主に外科手術が中心となります。しかし、粉瘤の状態、特に炎症の有無によって、治療の進め方や選択肢は異なります。患者さんの粉瘤の状態を確認し、最適な治療法をご提案いたします。
1. 炎症を起こしていない粉瘤の場合
- 紡錘形の切開
- くりぬき法
2. 炎症を起こしている粉瘤の場合
- 粉瘤が赤く腫れて痛みがある場合は、まず炎症を抑える処置が必要です。
- 炎症が強い状態で無理に粉瘤の袋をすべて取り除こうとすると、炎症が周囲に広がる可能性や、傷が化膿しやすくなるリスクがあります。
- 切開排膿(せっかいはいのう)
- 皮膚を切開して、内部に溜まった膿や内容物を排出する処置です。
- これにより、痛みや腫れが速やかに軽減されます。
- この処置は炎症を抑えるための応急処置であり、粉瘤の袋自体を取り除く根本治療ではありません。
- そのため、炎症が落ち着いた後に改めて外科的切除術が必要になることがあります。
- 抗生物質の内服
- 細菌感染が疑われる場合には、抗生物質を服用して炎症を抑えます。
- 炎症が治まれば一旦症状は改善しますが、粉瘤の袋が残っている限り、再び炎症を起こす可能性があります。
- 炎症が落ち着いてから、改めて粉瘤の袋を完全に切除する手術を検討します。
- 炎症性粉瘤は、放置すると「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という、より広範囲な皮膚の細菌感染症を引き起こす可能性もあります。
- 痛みや腫れが強い場合は、早めに皮膚科を受診することが非常に大切です。
治療法の選択は、粉瘤の大きさ、できた場所、炎症の有無、患者さんのご希望、そして生活習慣などを総合的に判断して医師が提案いたします。当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法を提案いたします。
当院での粉瘤治療のメリット
・皮膚科専門医のみならず、がん治療認定をもっている
・超音波検査ができるので、粉瘤の状態に合わせた最適な治療を提案します。
当院では、岩倉市近隣にお住まいの皆さまに安心してご来院いただけるよう、専門的な超音波検査で皮膚の中を詳細に観察し、正確な診断を行っています。北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市周辺にお住まいで、しこりやできものにお悩みの方も、どうぞお気軽にご相談ください。
当院の症例
症例1:紡錘形切除を選択しきれいに粉瘤を切除できました。
炎症、感染、悪性化などの放置リスク
粉瘤は、良性の腫瘍であるため、それ自体が命に関わることはほとんどありません。しかし、放置すると様々なリスクを伴うことがあります。見た目の問題だけでなく、痛みや他の健康問題につながる可能性もあるため、皮膚科専門医としては、早めの対処をおすすめしています。
- 炎症・感染
- 粉瘤の袋の中に細菌が入り込むと、炎症を起こして赤く腫れ上がり、強い痛みを感じるようになります。
- 化膿が進むと、膿がたまって破裂し、悪臭を伴う内容物が出てくることもあります。
- 炎症がひどくなると、発熱を伴う場合もあります。
- 炎症性粉瘤は、その周囲に「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という、より広範囲な皮膚の細菌感染症を引き起こす可能性もあります。
- 腫れや痛みが強くなると、日常生活にも支障をきたし、睡眠を妨げられることも少なくありません。
- 拡大
- 粉瘤は時間とともに徐々に大きくなる傾向があります。
- 顔や首など目立つ場所にできたものが大きくなると、見た目の問題がより顕著になり、精神的な負担につながることも少なくありません。
- また、大きくなると、服との摩擦で破れやすくなったり、圧迫感や違和感を感じたりすることもあります。
- 特に、関節の近くや可動部にできた場合、動きの妨げになることもあります。
- 悪性化
- 非常に稀なケースではありますが、粉瘤が「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」という皮膚のがんに悪性転化することが報告されています。特に臀部に大きな粉瘤がある方は、悪性化のリスクが高い部位ですので、注意が必要です。
- 扁平上皮癌とは、皮膚の表面を作る細胞(扁平上皮細胞)ががん化するもので、粉瘤から発生するケースは稀ですが、皮膚科専門医として注意が必要なリスクです。
手術は痛い?粉瘤の切除手術の流れと所要時間
粉瘤の手術と聞くと、痛みや不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、多くの場合、局所麻酔を使用して行われるため、手術中の痛みはほとんどありません。皮膚科専門医が安全かつ丁寧な手術を心がけていますので、ご安心ください。
- 手術前の準備
- 手術を行う部位を清潔に保つため、消毒を行います。
- 手術内容について最終的な確認を行い、患者さんの疑問点があれば再度ご説明します。
- 局所麻酔
- 手術部位に局所麻酔薬を注射します。
- 麻酔の注射時にチクッとした軽い痛みを感じることがありますが、麻酔が効くと手術中の痛みは感じなくなります。
- 麻酔が十分に効いていることを確認してから手術を開始しますのでご安心ください。
- 粉瘤の切除
- 麻酔が効いていることを確認した後、粉瘤の大きさや種類、場所に応じて皮膚を切開します。
- 粉瘤の袋が破れないよう、丁寧に剥がしながら摘出します。
- 炎症を起こしている場合は、炎症が落ち着いてから袋の摘出を行うこともあります。
- 止血と縫合
- 出血を慎重に止めた後、皮膚を細い糸で丁寧に縫い合わせます。
- 傷跡が目立ちにくいよう、皮膚のしわの方向に沿って縫合するなどの工夫をしています。
- 術後の処置
- 傷口に保護テープやガーゼを貼って手術は終了です。
- 術後の注意点や、ご自宅でのケア方法について詳しく説明します。
- 所要時間
- 粉瘤の大きさや数、できた部位によって異なりますが、一般的には10分から30分程度で終了することがほとんどです。
- 当院では日帰りでの手術が可能ですので、入院の必要はありません。
- お仕事や日常生活への影響を最小限に抑えられます。
- 術後の痛み
- 麻酔が切れた後に多少の痛みを感じる場合があります。
- その際には、処方された痛み止めを服用することで、ほとんどの場合は我慢できる範囲の痛みです。
- 痛みが強い場合や、心配なことがあれば遠慮なくご相談ください。
気になる治療費用と保険適用
粉瘤の治療にかかる費用は、患者さんのご負担割合や治療内容によって異なりますが、健康保険が適用されますのでご安心ください。私たちは、患者さんが安心して治療を受けられるよう、費用の透明性にも配慮しています。
- 健康保険の適用
- 粉瘤の切除手術は、病気に対する治療行為として認められています。
- そのため、保険診療の対象となり、医療費の自己負担を軽減できます。
- 費用内訳
- 治療にかかる費用は、主に以下の項目で構成されます。
- 診察料
- 初診料や再診料が含まれます。
- 検査料
- エコー検査や病理検査、術前の血液検査など、診断に必要な検査の費用です。
- 手術料
- 粉瘤の大きさや部位、手術方法によって費用が異なります。
- 薬剤料
- 内服薬(抗生物質、痛み止めなど)や外用薬(傷の保護、消毒など)の費用です。
- 処置料
- 術後の傷の消毒や抜糸など、経過観察にかかる費用です。
- 診察料
- 治療にかかる費用は、主に以下の項目で構成されます。
- 自己負担割合
- 年齢やご加入されている健康保険の種類によって、医療費の自己負担割合は異なります。
- 一般的には1割、2割、または3割のいずれかとなります。
- 例えば、3割負担の方であれば、総医療費の30%をお支払いいただくことになります。
- ご自身の負担割合は、健康保険証で確認できます。
具体的な治療費用については、粉瘤の大きさや治療方法、保険適用の割合によって大きく変動するため、一概にお伝えすることはできません。
粉瘤のお悩みは、見た目の問題だけでなく、炎症や感染のリスク、稀な悪性化の可能性など、様々な不安を伴うものです。当院は岩倉市に位置しており、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい場所にございます。粉瘤治療の経験が豊富な皮膚科専門医が、患者さん一人ひとりの状態を丁寧に診察し、適切な診断と治療計画をご提案いたします。気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
術後のケアと日常生活で気を付けるべきこと
粉瘤の切除手術後は、傷口の適切なケアが、早くきれいに治すために非常に重要です。自己判断せずに、必ず医師の指示に従ってケアを進めてください。
- 傷口の洗浄と保護
- 手術後数日間は、傷口を清潔に保つことが非常に大切です。
- 医師や看護師の指示に従い、毎日洗浄を行い、絆創膏やガーゼで傷口を保護しましょう。
- 翌日からシャワーで傷口を直接洗ってもらうことがほとんどです。
- しかし、入浴は抜糸が終わるまでは控えましょう。
- 傷口を強くこすったり、湯船に浸かったりすることは、感染や傷の開きの原因となるため避けましょう。
- 痛みの管理
- 術後数日間は、個人差はありますが、軽度の痛みや腫れが出ることがあります。
- 処方された痛み止めを指示通りに服用することで、痛みを和らげることができます。
- 痛みが強い場合や長引く場合は、我慢せずに速やかにクリニックへご相談ください。
- 抜糸
- 通常、手術後1~2週間で抜糸を行います。
- 抜糸が済んでも、傷口が完全に落ち着くまでにはさらに時間がかかると理解しておきましょう。
- 日常生活での注意点
- 激しい運動や重労働
- 術後しばらくの間は、傷口に負担がかかるような激しい運動や重労働は避けるようにしてください。
- 血行が促進されすぎると、腫れや痛みが悪化したり、傷口が再び開いたりするリスクがあります。
- 飲酒・喫煙
- 飲酒や喫煙は、血行不良を引き起こし、傷の治りを遅らせたり、炎症を誘発したりする可能性があります。
- 術後しばらくは、健康的な回復のために控えることをおすすめします。
- 紫外線対策
- 手術後の傷跡は、紫外線に当たると色素沈着を起こしやすくなります。
- 日焼け止めを塗ったり、衣服や帽子で覆ったりして、術後数ヶ月間は紫外線対策を行いましょう。
- これにより、傷跡が目立ちにくくなる効果が期待できます。
- 保湿
- 傷跡周辺の皮膚を適切な保湿剤でしっかりと保湿することは、皮膚のバリア機能を高めます。
- これにより、皮膚が健康な状態を保ち、治癒過程をサポートすることができます。
- 激しい運動や重労働
稀な悪性化の可能性と注意
- 非常に稀なケースではありますが、粉瘤が皮膚のがんの一種である「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」に悪性転化することが報告されています。
- これは頻繁に起こるものではありませんが、皮膚科専門医として患者さまにお伝えすべき重要なリスクです。
- ある研究(Kim et al., 2020)によると、粉瘤から扁平上皮癌に進行した患者さんの平均年齢は57.3歳、粉瘤が存在してから悪性化するまでの平均潜伏期間は15.4年であったと報告されています。
- このことから、特に長期間放置されている粉瘤や、過去に炎症を繰り返してきた粉瘤には注意が必要です。
- また、以前に粉瘤の切除やドレナージ(内容物を排出する処置)を受けた経験がある方、慢性腎臓病やがんなどの基礎疾患により免疫力が低下している方(免疫調節不全の状態)は、悪性化のリスクがより高まる可能性があると考えられています。
- ご自身の粉瘤が「急に大きくなった」「しこりが固くなった」「痛みを伴うようになった」「潰瘍ができた」などの通常とは異なる変化を見せた場合は、決して放置せず、皮膚科専門医による詳しい診察を早めに受けるようにしてください。
- 早期発見と適切な診断が、万が一の場合でも良好な転帰を得るために最も重要です。
まとめ
粉瘤は多くの方が経験する皮膚トラブルですが、放置すると炎症や感染、まれに悪性化のリスクを伴うことがあります。ご自身で判断しにくい皮膚のしこりには、皮膚科専門医による正確な診断と、状態に合わせた適切な治療が何よりも大切です。
手術は局所麻酔で行われるため、痛みも少なく、ほとんどの場合日帰りで治療が可能ですのでご安心ください。治療後も、術後の適切なケアや日頃から皮膚を清潔に保つこと、摩擦を避けることが再発予防につながります。
少しでも気になるしこりや異変を感じたら、一人で抱え込まずに当院にご相談ください。信頼できるクリニックで、不安なく健やかな毎日を取り戻しましょう。
よくある質問
Q. 粉瘤は放置しておいても大丈夫ですか?
粉瘤は良性のしこりですが、放置すると感染を起こして炎症し、赤く腫れて痛みや膿を伴うことがあります。炎症を繰り返すと手術が難しくなる場合があるほか、まれに癌化する可能性も指摘されています。症状に気づいたら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
Q. 粉瘤は自分で潰したり、絞り出したりしてはいけませんか?
ご自身で無理に潰したり、絞り出したりすると、細菌が入り込んで炎症が悪化したり、周囲の組織を傷つけてしまい、治療がより複雑になる可能性があります。また、一時的に中身が出ても、袋状の組織が残っている限り再発します。必ず専門医にご相談ください。
Q. 粉瘤は再発しますか?
粉瘤は、皮膚の深い部分にある袋状の組織を完全に取り除かない限り、再発する可能性があります。当院では再発のリスクを抑えるため、患者様の状態に合わせて最適な治療法をご提案します。
Q. 粉瘤の手術は痛いですか?傷跡は残りますか?
手術は局所麻酔を使用するため、術中の痛みはほとんどありません。傷跡については、治療法や粉瘤の大きさ、できた部位によって異なります。当院では患者様の負担を減らすため、傷跡が目立たないよう最大限配慮し、ご希望に応じて「くりぬき法」など可能です。
参考文献
- Kim SW, Kim JY, Min S, Park JK-H. Squamous Cell Carcinoma Arising From Epidermal Cyst: A Case Series of 9 Patients With a Literature Review.
追加情報
タイトル: Squamous Cell Carcinoma Arising From Epidermal Cyst: A Case Series of 9 Patients With a Literature Review 著者: Sang Wha Kim, Ji-Young Kim et al., Sally Min, Joseph Kyu-Hyung Park
概要:
- 表皮嚢胞は一般的な良性皮下腫瘍であるが、稀に扁平上皮癌(SCC)への悪性転化が報告されている。しかし、発生率が低いため、その臨床的・病理学的特徴は十分に理解されていない。
- 本研究は、表皮嚢胞から発生したSCCの臨床的・病理学的特徴を分析し、適切な治療戦略を示唆することを目的とした。
- 表皮嚢胞から発生したSCCと診断された9人の患者を対象としたレトロスペクティブ研究が実施された。
- 全患者は外科的切除を受け、患者の人口統計、腫瘍特性、治療、転帰に関する臨床情報が分析された。
- 診断時の平均年齢は57.3歳、平均潜伏期間は15.4年であった。
- 5人の患者は以前に嚢胞の切除またはドレナージを受けており、平均2.3回の再発歴があった。
- 外科的切除が全症例における主要な治療であり、断端陽性の2人の患者は追加の切除マージンを伴う再切除を受けた。追跡期間中、再発は観察されなかった。
- 4人の患者は、基礎疾患(慢性腎臓病または癌)による免疫調節不全を伴っていた。
要点:
- 表皮嚢胞から発生する扁平上皮癌は稀な病態であり、その臨床的・病理学的特徴の解明が本研究の目的である。
- 9症例の分析から、診断時の平均年齢は57.3歳、平均潜伏期間は15.4年という特徴が示された。
- 先行する嚢胞の切除・ドレナージ歴(再発を含む)や、慢性腎臓病や癌による免疫調節不全が、SCC発生に関連する可能性がある。
- 外科的切除が主要な治療法であり、適切なマージンを確保した切除により良好な転帰が得られることが示唆された。
- 嚢胞の存在歴や再発歴のある患者、特に免疫不全患者においては、表皮嚢胞からの扁平上皮癌発生への認識を高め、早期の疑いと適切な臨床的意思決定に繋げる必要がある。
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