
顔や首にいつの間にかできた茶色いイボ。「悪い病気だったらどうしよう」と、鏡を見るたびに不安に感じていませんか。その正体は、80歳以上になるとほとんどの方に認められる「老人性いぼ」かもしれません。
これはありふれた良性の腫瘍ですが、見た目が気になるだけでなく、ごくまれに皮膚がんと見分けがつきにくいこともあり、自己判断は禁物です。放置してよいものか、それともすぐに治療すべきなのか、迷われる方も多いでしょう。
この記事では皮膚科専門医が、老人性いぼの原因や特徴、そして最も気になるシミや皮膚がんとの見分け方、最新の治療法までを徹底解説します。ご自身の症状と見比べながら、長年の悩みを解消する第一歩を踏み出しましょう。
老人性いぼの3つの特徴と原因|シミや皮膚がんとの見分け方
顔や首、体にいつの間にかできた茶色いイボ。「これは何だろう?」「悪い病気だったらどうしよう」と、鏡を見るたびに不安に感じていませんか。
そのイボの正体は、多くの場合「老人性いぼ」かもしれません。 これは皮膚科の診療において、非常に多く見られる良性の皮膚腫瘍です。 そのため、ほとんどのケースで過度な心配は必要ありません。
この記事では、皮膚科専門医の視点から老人性いぼの正体に迫ります。 原因や特徴、そして気になるシミや皮膚がんとの見分け方を詳しく解説します。 ご自身の症状と見比べながら、まずは正しい知識を身につけていきましょう。

正式名称は脂漏性角化症!加齢と紫外線が主な原因
一般的に「老人性いぼ」と呼ばれますが、医学的な正式名称は「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」です。 皮膚にできる良性の腫瘍の中では、最もありふれたものの一つです。
「老人性」という名前から高齢者の病気と思われがちです。 しかし、早い方では20代や30代から見られ、年齢とともに誰にでもできる可能性があります。 80歳以上になると、ほとんどの方に認められるほど一般的な皮膚の変化です。
脂漏性角化症ができる主な原因は、主に以下の3つと考えられています。
- 加齢
年齢を重ねると、皮膚の細胞が新しく生まれ変わる周期(ターンオーバー)が乱れがちになります。これにより、表皮の細胞が部分的に過剰に増殖し、いぼとなって盛り上がります。 - 紫外線
若い頃から長年にわたって浴び続けてきた紫外線のダメージが皮膚に蓄積します。このダメージが皮膚細胞の遺伝子に傷をつけ、細胞の異常な増殖を引き起こす原因となります。 - 遺伝的要因
体質的に脂漏性角化症ができやすい方もいることが分かっています。
重要な点として、このいぼはウイルスが原因ではありません。 そのため、他の人にうつったり、体の他の部位に広がったりする心配は不要です。 また、最初は平坦なシミ(老人性色素斑)だったものが、加齢とともに盛り上がり、脂漏性角化症へと変化していくケースもよく見られます。
見た目の特徴(色・形・大きさ)とできやすい場所(顔・首・頭)
脂漏性角化症は、一つひとつ見た目が異なる、非常に多彩な表情を持つのが特徴です。 ご自身のいぼが当てはまるか、以下のポイントを確認してみてください。
- 色
肌色に近い淡いものから、薄茶色、こげ茶色、黒色まで様々です。 - 形・表面
ほとんど盛り上がりのない平坦なものから、ザラザラと隆起するもの、時にはカリフラワーのように大きく盛り上がるものまであります。表面を触ると、カサカサ、ザラザラしていることが多く、少し油っぽい感触があることも特徴です。 - 大きさ
直径数mm程度の小さなものから、数cm以上の大きさになることもあります。
【できやすい場所】 脂漏性角化症は、皮脂の分泌が多い場所にできやすい傾向があります。 特に長年、紫外線にさらされてきた場所に多く見られます。
- 紫外線が当たりやすい場所
顔(こめかみ、頬)、頭皮、首、デコルテ(胸元)、背中の上部、手の甲など。 - 紫外線が当たりにくい場所
脇の下、腹部、太ももの付け根など、衣類で覆われている部分にも発生します。
ただし、手のひらと足の裏にできることはありません。 通常はかゆみや痛みなどの症状はありませんが、衣類でこすれるなどして炎症を起こすと、赤みやかゆみを生じることがあります。
ほくろやシミ、ウイルス性いぼとの違い
皮膚にできる茶色や黒のできものは、脂漏性角化症以外にも複数あります。 ここでは、特に見間違いやすい「シミ」「ほくろ」「ウイルス性いぼ」との違いを解説します。 自己判断は難しいため、あくまで参考情報としてご覧ください。
| 種類 | 主な原因 | 見た目の特徴 | 感染性 |
|---|---|---|---|
| 老人性いぼ (脂漏性角化症) |
加齢、紫外線、遺伝 | ・茶色~黒色で多彩 ・表面はザラザラしている ・皮膚からわずかに盛り上がっている |
なし |
| シミ (老人性色素斑) |
紫外線、加齢 | ・茶色~こげ茶色 ・平坦で盛り上がりはない ・周囲との境界が比較的はっきりしている |
なし |
| ほくろ (色素性母斑) |
遺伝的要因、紫外線 | ・茶色~黒色 ・表面はなめらか、または半球状に盛り上がる ・比較的小さなものが多い |
なし |
| ウイルス性いぼ (尋常性疣贅) |
ヒトパピローマウイルス(HPV) | ・硬く盛り上がっている ・表面に黒い点状の出血が見えることがある ・主に手足の指や足の裏にできやすい |
あり |
最も大きな違いは、ウイルス性いぼには感染性があるという点です。 ウイルス性いぼは、皮膚の小さな傷からウイルスが侵入して発生します。 放置すると、ご自身の体の他の部位や、ご家族など他の人にうつしてしまう可能性があります。
一方で、老人性いぼやシミ、ほくろは感染しません。 見た目だけでの正確な判断は困難なため、皮膚科での診断が非常に重要です。
皮膚がん(悪性黒色腫)との鑑別ポイントとセルフチェック
「このいぼは、がんではないか?」と心配される方は少なくありません。 脂漏性角化症は良性腫瘍であり、それ自体ががん化することはありませんのでご安心ください。
しかし、ごくまれに皮膚がん、特に悪性度の高い「悪性黒色腫(メラノーマ)」や「基底細胞がん」と見た目が似ていることがあります。 そのため、専門家による鑑別が極めて重要になります。
ご自身で確認する際のセルフチェックリストをご紹介します。
【皮膚がんを疑う危険なサイン】
- Asymmetry(非対称性)
形が左右非対称で、いびつな形をしている。 - Border(境界)
周囲の皮膚との境目がギザギザしていたり、色がにじみ出している。 - Color(色調)
色が均一ではなく、黒や茶色、青などが混じった色ムラがある。 - Diameter(直径)
大きさが6mm以上ある、または短期間で急に大きくなってきた。 - Evolving(変化)
形や色、大きさが変化したり、表面が崩れて出血や潰瘍ができたりする。
これらの特徴が一つでも当てはまる場合は、絶対に放置しないでください。 すぐに皮膚科専門医にご相談ください。
皮膚科では、「ダーモスコピー」という特殊な拡大鏡を使用します。 皮膚の表面だけでなく、内部の色素の分布や血管の状態を詳しく観察することで、がんの可能性をより正確に診断することが可能です。
また、非常にまれですが、脂漏性角化症が短期間で全身に多発し、強いかゆみを伴うことがあります。 これは「レーザー・トレラ徴候」と呼ばれ、内臓の悪性腫瘍(がん)が隠れているサインの可能性があります。
気になるいぼやシミがあれば、自己判断で様子を見るのではなく、ぜひ一度当院へお気軽にご相談ください。 北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい立地にございますので、お仕事帰りなどにもお立ち寄りいただけます。
【医師が解説】老人性いぼの治療法3選と自分でできる予防策
「最近、顔や首に茶色いブツブツが増えてきた」「これって自分で取れるの?」と、鏡を見るたびにため息をついていませんか。
老人性いぼ(脂漏性角化症)は良性の腫瘍であり、医学的に必ず治療が必要なものではありません。 しかし、見た目が気になったり、衣類やアクセサリーに引っかかったりすることもあります。 多くの患者様が美容的な理由で除去を希望される、ごく一般的なお悩みです。
治療法にはいくつかの選択肢があり、患者様のご希望に応じて個別化することが大切です。 しかし、自己判断でのケアは、かえって肌を傷つけるリスクも伴います。 ここでは皮膚科専門医の立場から、代表的な治療法とご自身でできる予防策を解説します。 それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身に合った方法を見つけましょう。

市販薬(ヨクイニン等)やセルフケアの注意点とリスク
ドラッグストアなどで「いぼ」に効くとされる市販薬を見かけますが、老人性いぼへの使用には注意が必要です。 なぜなら、原因が全く異なるからです。
市販薬の多くはウイルス性いぼが対象
市販の塗り薬や貼り薬のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因の「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」を対象としています。
一方、老人性いぼは、加齢や紫外線が主な原因の良性腫瘍です。
発生の仕組みが違うため、これらの市販薬を使っても効果は期待できません。ヨクイニンの効果について
漢方薬のヨクイニン(ハトムギのエキス)も、ウイルス性いぼの治療で用いられることがあります。
しかし、老人性いぼに対する有効性は、現時点では医学的に確立されていません。セルフケアの重大なリスク
ご自身で無理やりはがしたり、爪切りで切ったりする行為は絶対にやめましょう。
皮膚を深く傷つけて出血や細菌感染を起こす可能性があります。
最悪の場合、消えない傷跡が残ってしまうこともあります。
最も注意すべきは、ご自身で老人性いぼだと思っていても、まれに皮膚がんなどの悪性腫瘍である可能性です。 自己判断で対処してしまうと、重大な病気の見逃しにつながりかねません。 まずは皮膚科を受診し、専門医による正確な診断を受けることが、安全な治療への第一歩です。
液体窒素凍結療法|保険適用で安価だが色素沈着のリスクも
液体窒素凍結療法は、多くの皮膚科で一般的に行われている保険適用の治療法です。 手軽に受けられる反面、知っておくべき注意点もあります。
【治療の仕組み】 マイナス196℃の超低温の液体窒素を、綿棒やスプレーでいぼに直接当てます。 これにより、いぼを形成している異常な皮膚細胞を凍結させて壊死させます。 治療後、いぼはかさぶたになり、通常1~2週間ほどで自然にはがれ落ちます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 保険が適用されるため費用が安価 | 治療時に痛み(ヒリヒリするような感覚)がある |
| 多くの皮膚科クリニックで受けられる | 炎症後色素沈着が起こる可能性がある(特に顔) |
| 施術時間が短い | 完全に除去するために数回の通院が必要な場合がある |
| 治療後に水ぶくれができることがある |
この治療法の最大のメリットは、保険適用で費用負担が少ない点です。 しかし、デメリットとして「炎症後色素沈着」のリスクが挙げられます。 これは、治療による炎症が原因で、一時的にシミのような跡が残る現象です。 数か月から、長い場合は1~2年ほど続くこともあります。
特に顔など目立つ場所の治療では、この点を十分に理解した上で選択することが大切です。 当院では、患者様のご希望を伺いながら最適な治療法を一緒に考えていきます。
炭酸ガスレーザー治療|傷跡が残りにくくキレイな仕上がりが期待できる
よりキレイな仕上がりを希望される方には、炭酸ガス(CO2)レーザーを用いた治療が有効な選択肢となります。 美容的な観点を重視する場合に適した治療法です。
【治療の仕組み】 炭酸ガスレーザーは、水分に吸収されやすいという性質を持っています。 このレーザーをいぼに照射すると、細胞内の水分が瞬時に熱エネルギーに変わり、いぼの組織だけを蒸散させて精密に削り取ることができます。 正常な皮膚へのダメージを最小限に抑えられるのが特徴です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 周囲の組織へのダメージが少なく傷跡が残りにくい | 自費診療となるため、液体窒素治療より費用がかかる |
| 液体窒素療法に比べ色素沈着のリスクが低い | 施術後、かさぶたが2週間ほどつく |
| 出血がほとんどない | 医療機関によって機器や医師の技術に差がある |
| 1回の治療で完了することが多い | まれに再発する可能性がある |
炭酸ガスレーザー治療は、いぼをピンポイントで除去できるため、治療後の仕上がりが美しいのが大きな利点です。 ただし、自費診療となるため、費用については事前にしっかりと確認が必要です。
日々の紫外線対策とスキンケアでいぼの発生・増加を予防
老人性いぼは、一度治療しても体質や生活習慣によっては再発したり、別の場所に新しくできたりすることがあります。 そのため、治療と並行して日々の予防ケアを行うことが非常に重要です。
紫外線対策の徹底
老人性いぼの最大の原因は、長年浴び続けた紫外線による皮膚ダメージの蓄積です。
外出時はもちろん、室内でも窓からの紫外線を防ぐ意識を持ちましょう。- 日焼け止めを習慣にする
季節や天候に関わらず毎日使用してください。
顔だけでなく、首やデコルテ、手の甲など、露出しやすい部分にも忘れずに塗りましょう。 - 物理的な遮光
帽子、日傘、サングラス、UVカット機能のある衣類を積極的に活用し、紫外線を物理的にブロックすることも効果的です。
- 日焼け止めを習慣にする
物理的な刺激を避ける
洗顔や入浴時にナイロンタオルなどでゴシゴシ擦ることは、肌への慢性的な刺激となり、いぼを増やす一因になることがあります。
たっぷりの泡で優しく洗うことを習慣にしてください。
気になるいぼがあれば、自己判断で悩まず、ぜひ一度当院へご相談ください。 北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい立地で、皆様のご来院をお待ちしております。
皮膚科での老人性いぼ治療|保険適用・費用・ダウンタイムの全て
老人性いぼはご自身でのケアでは改善が難しく、除去するには皮膚科での治療が必要です。 しかし、「費用はいくらかかる?」「治療は痛い?」「傷跡は残らない?」など、多くの不安があることでしょう。
皮膚科では、患者様一人ひとりのいぼの状態やご希望に合わせ、最適な治療法をご提案します。 ここでは治療の選択基準となる保険適用や費用、治療後の経過について、専門医の視点から詳しく解説します。

保険適用と自費診療の判断基準と料金の目安
老人性いぼの治療には、健康保険が使える「保険診療」と、全額自己負担となる「自費診療」があります。 どちらに該当するかは、治療の目的や治療法によって異なります。
以下に代表的な治療法の料金目安をまとめましたので、ご参考にしてください。
| 治療法 | 保険適用の可否 | 料金の目安(3割負担の場合) |
|---|---|---|
| 液体窒素凍結療法 | 保険適用 | 1回2,000円~3,000円(複数回かかる) |
| 炭酸ガスレーザー治療 | 自費診療 | 20,000円~(いぼの大きさや数で変動) |
| ※上記はあくまで目安です。正確な費用は、診察時に医師へご確認ください。 |
治療法別の痛み・ダウンタイム・アフターケアの比較
代表的な治療法である「液体窒素凍結療法」と「炭酸ガスレーザー治療」を比較します。 ご自身の生活や希望する仕上がりに合う治療法を選ぶための参考にしてください。
| 項目 | 液体窒素凍結療法 | 炭酸ガスレーザー治療 |
|---|---|---|
| 治療中の痛み | 麻酔なしで行います。 チクチク、ヒリヒリするような冷たい痛みがあります。 |
局所麻酔の塗り薬を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。 |
| ダウンタイム | 治療後、数日でかさぶたになり、1~2週間で自然にはがれ落ちます。 水ぶくれができることもあります。 |
治療直後は少し凹んだ傷の状態です。 1~2週間ほど塗り薬を行い、新しい皮膚の再生を待ちます。 |
| 治療後の経過 | 治療の刺激で「炎症後色素沈着」というシミのような跡が残りやすい傾向があります。 数ヶ月~1年以上続くこともあります。 |
液体窒素より色素沈着のリスクは低いですが、体質により数ヶ月続くことがあります。 傷跡は残りにくいのが特徴です。 |
| アフターケア | かさぶたは無理に剥がさないでください。 | 処方された軟膏を塗ります。 新しい皮膚は非常にデリケートなため、紫外線対策も行いましょう。 |
| 通院回数 | いぼを完全に取り除くため、1~2週間おきに数回の通院が必要になる場合があります。 | 1回の治療で完了することがほとんどです。 |
治療後の再発可能性と予防のための長期的なケア
老人性いぼは、一度治療しても再発する可能性があります。 これは、治療の際にいぼの原因となる異常な皮膚細胞が、ごくわずかに残ってしまうことがあるためです。
特に液体窒装凍結療法では、いぼを浅く凍結させると再発リスクが高まる傾向にあります。 また、治療した場所以外に、新しくいぼができる可能性は誰にでもあります。
老人性いぼの発生には、加齢や長年の紫外線ダメージ、そして遺伝的な体質が関わっています。 そのため、今後の発生や増加を抑えるには、長期的な視点でのケアが非常に大切です。
【新しい老人性いぼを予防するためのポイント】
- 紫外線対策の徹底
日焼け止めをこまめに塗り直す、帽子や日傘を活用するなど、季節を問わず紫外線対策を行いましょう。 - 摩擦を避ける
洗顔時にゴシゴシこすったり、きつい衣類で肌を締め付けたりする慢性的な刺激は避けましょう。
北名古屋市・小牧市・一宮市・江南市周辺で治療をご希望の方へ|当院の治療方針
岩倉市にある当院は、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からも多くの患者様にご来院いただいております。 老人性いぼの治療において、当院が最も大切にしているのは、まず丁寧な診察を行うことです。
ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用い、そのいぼが本当に良性なのか、皮膚がんの可能性はないかを皮膚科専門医が正確に診断します。 この診断が、安全で適切な治療への第一歩です。
その上で、患者様のお悩みやいぼの状態、ライフスタイル、ご予算などを総合的に考慮します。 そして、それぞれの治療法のメリット・デメリットを詳しくご説明し、最適な治療法を一緒に考え、ご提案いたします。
脂漏性角化症の治療は、臨床像と患者様のご希望に応じて個別化されるべきです。 例えば、美容的な仕上がりを重視される方には傷跡が残りにくい炭酸ガスレーザー治療を、費用を抑えたい方には保険適用の液体窒素凍結療法をおすすめするなど、ご納得いただいた上で治療を進めてまいります。
顔や首の目立ついぼでお悩みの方、悪性ではないかとご不安な方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。 専門医が、皆様のお悩みに真摯に向き合います。
まとめ
今回は、多くの方が悩まれる老人性いぼの原因から治療法、予防策までを詳しく解説しました。
老人性いぼは良性の腫瘍ですが、最も大切なのは、ご自身で判断せずに皮膚がんなどの悪性の病気との可能性をしっかりと見極めることです。市販薬を使ったり、無理に取ろうとしたりするセルフケアは、思わぬ肌トラブルや重大な病気の見逃しにつながる危険があるため避けましょう。
皮膚科では、保険適用の治療から、より仕上がりの美しさを追求するレーザー治療まで、様々な選択肢があります。まずは専門医による正確な診断を受け、ご自身の希望に合った最適な治療法を相談することが、安全な解決への第一歩です。鏡を見るたびに気になるいぼがあれば、一人で悩まず、ぜひお気軽に皮膚科へご相談ください。
参考文献
- Grabbe S, Barthelmann S, Großmann B, Schepler H, Butsch F, Lang BM, Stege H. Seborrheic keratosis.
追加情報
タイトル: Seborrheic keratosis 著者: Stephan Grabbe, Sara Barthelmann, Bernd Großmann, Hadrian Schepler, Florian Butsch, Berenice M Lang, Henner Stege 概要:
- 脂漏性角化症(SK)は、臨床皮膚科診療で最も一般的な良性表皮腫瘍である。
- 本レビューは、SKの臨床的・組織学的所見、疫学、病因、および治療に関する現在の知見をまとめている。
- SKには臨床的および組織学的所見に基づいた異なるサブタイプが存在する。
- 発症には、年齢、遺伝的素因、および紫外線暴露が寄与すると考えられている。
- 診断は通常臨床的に行われるが、皮膚鏡検査や組織病理学的検査が用いられることもある。
- 多くの患者は美容上の理由で病変の除去を希望するが、医学的適応はない。
- 治療法には、外科的療法、レーザー療法、電気凝固術、冷凍療法があり、局所薬物療法は現在開発中である。
- 治療は臨床像と患者の好みに応じて個別化されるべきである。
要点:
- 脂漏性角化症(SK)は、臨床現場で最も一般的な良性表皮腫瘍である。
- SKの発生には年齢、遺伝的素因、紫外線暴露が関与すると考えられている。
- 診断は主に臨床的に行われ、治療は美容目的が主であり、患者の状況に応じた個別化が必要である。
- 現在の治療選択肢として多様な除去法があり、局所薬物療法が開発中である。
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