岩倉きぼうクリニック

自身が多汗症の皮膚科医がすすめる!効果的な治療法リスト

「ただの汗っかきだから」と諦めていませんか?学生時代、汗でテスト用紙がしわしわになったり、好きな人と手をつなぐことをためらったり…。実は、この記事を書いている私自身も多汗症に深く悩んだ経験があります。その悩み、単なる体質ではなく治療できる「多汗症」という病気かもしれません。

近年、多汗症治療は大きく進歩しています。例えば、ある塗り薬の治療では、52週間の長期使用でも効果が持続し、重篤な副作用も少ないという研究結果が報告されています。もう一人で悩む必要はありません。

この記事では、自身も多汗症を乗り越えた皮膚科医が、保険適用の治療から最新の選択肢まで、あなたに合った効果的な治療法を網羅的に解説します。長年の悩みから解放される、確かな一歩がここにあります。

その汗は病気かも?多汗症のセルフチェックと受診の目安

「ただの汗っかきだから」と、ご自身の汗の量を体質だと諦めていませんか。 実は私自身も、学生時代は手の汗でテスト用紙がしわしわになったり、好きな人と手をつなぐことをためらったりと、多汗症に深く悩んだ経験があります。

日常生活に支障が出るほどの汗は、治療の対象となる「多汗症」という病気かもしれません。 原因がはっきりしないのに、手のひらや脇、足の裏などから過剰な汗が週に1回以上出て、生活の中で困る場面があるなら、それは専門家へ相談するサインです。

一人で悩まず、まずはご自身の汗の状態を客観的に知ることから始めてみましょう。

その汗は病気かも?多汗症のセルフチェックと受診の目安
その汗は病気かも?多汗症のセルフチェックと受診の目安

汗の量と生活への支障でわかる重症度チェックリスト(HDSS)

多汗症の重症度を判断する際、医療現場では「HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)」という指標を用います。 これは汗の量そのものよりも、汗によって日常生活にどれだけ支障が出ているかを評価するものです。

ご自身の状態がどれに当てはまるか、チェックしてみてください。

スコア 状態
スコア1 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
スコア2 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
スコア3 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
スコア4 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

「我慢できるから」と放置せず、少しでも支障があればご相談ください。

また、特に手のひらの汗(手掌多汗症)でお悩みの方には、汗の量を客観的に評価する目安もあります。 医師に症状を伝える際にも役立ちますので、参考にしてください。

レベル 状態
レベル1 手が湿っている程度。光に当てると汗が光って見える。
レベル2 手に水滴ができ、見た目でもはっきりと汗をかいていることがわかる。
レベル3 水滴が次々とでき、汗がしたたり落ちる。

汗の出る場所で違う多汗症のタイプ(全身性・局所性)

多汗症は、汗をかく範囲によって大きく2つのタイプに分けられます。 ご自身がどちらのタイプかを知ることは、適切な治療法を見つける上で非常に重要です。

1. 局所性多汗症  手のひら、足の裏、脇の下、顔、頭部など、体の一部に限って多量の汗をかくタイプです。  多くの場合、原因がはっきりしない「原発性」のものであり、精神的な緊張やストレスで汗が増えることが特徴です。

  • 手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)
     手のひらの多汗
  • 足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)
     足の裏の多汗
  • 腋窩多汗症(えきかたかんしょう)
     脇の下の多汗

2. 全身性多汗症  全身にわたって多量の汗をかくタイプです。  こちらは、何らかの病気や服用中の薬が原因となっている「続発性」の可能性があります。

  • 考えられる主な原因
    • 内分泌・代謝の異常
       甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期障害など
    • 神経障害
       パーキンソン病など
    • 薬剤の副作用
       一部の向精神薬、睡眠導入薬、解熱鎮痛薬など
    • 感染症
       結核など

特に、急に全身の汗が増えた、左右非対称に汗をかく、睡眠中にも汗をかくといった症状がある場合は注意が必要です。 背景に他の病気が隠れている可能性も考えられますので、自己判断せずに必ず医療機関を受診してください。

まずは自分でできる汗対策と日常生活での改善ポイント

医療機関での治療と並行して、日常生活の中で試せる対策もあります。 汗は自律神経のバランスと深く関わっているため、生活習慣を見直すことで症状が和らぐ可能性があります。

【生活習慣の改善ポイント】

  • 食生活を見直す
     香辛料を多く使った食事やカフェイン飲料は交感神経を刺激し、発汗を促すことがあるため、摂りすぎに注意しましょう。
  • ストレスを管理する
     リラックスできる時間を作り、趣味や軽い運動などで上手にストレスを発散させることが大切です。
     十分な睡眠も自律神経を整える上で欠かせません。
  • 禁煙・節酒を心がける
     喫煙や過度な飲酒は自律神経の乱れにつながるため、控えることが望ましいです。

【日常生活での工夫】

  • 制汗剤(デオドラント剤)を活用する
  • 通気性・吸湿性の良い綿や麻などの素材の衣類を選ぶ
  • こまめに汗を拭き取るウェットシートなどを携帯する

これらのセルフケアを試しても改善が見られない場合、決して諦めないでください。 近年、多汗症治療は大きく進歩しており、例えば手のひらの多汗症に対する塗り薬では、52週間の長期使用でも効果が持続し、重篤な副作用も少ないという研究結果が報告されています。 我慢せずに専門医へ相談することが、悩み解決への最も確実な一歩です。

多汗症の相談は何科?皮膚科を受診すべきタイミング

「この汗の悩み、どの病院に行けばいいのだろう?」と迷われる方も多いかもしれません。 多汗症のご相談は、まず皮膚科を受診することをおすすめします。

皮膚科は皮膚の専門家です。汗を分泌する「汗腺」は皮膚の付属器と呼ばれる器官の一部であり、多汗症はまさに皮膚科の専門領域です。 問診や視診を通じて症状を正確に診断し、塗り薬や飲み薬、注射治療など、様々な選択肢から一人ひとりの症状やライフスタイルに合った治療法をご提案できます。

【皮膚科を受診すべきタイミングの目安】

  • 汗のせいで日常生活に支障が出ている
  • 自分でできる対策を試しても、効果が感じられない
  • 手の汗で書類が濡れたり、スマートフォンがうまく操作できなかったりする
  • 汗ジミが気になって、着たい色の服が選べない
  • 人と握手したり、手をつないだりすることに強い抵抗を感じる
  • 汗のことが気になり、仕事や学業、趣味に集中できない

上記に一つでも当てはまる方は、悩みが深刻になる前に、ぜひ一度専門医にご相談ください。 当院は皮膚科専門医が在籍しており、私自身もかつて同じ悩みを抱えていました。 岩倉市はもちろん、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からも多くの患者様にご来院いただいています。 お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

皮膚科医が解説する多汗症の主な治療法5選

「テスト用紙が汗でしわしわになる」「好きな人と手をつなげない」 私自身も学生時代、手の汗に深く悩み、同じような経験をしてきました。 だからこそ、多汗症で悩む方のお気持ちは痛いほどよくわかります。

しかし、多汗症は決して珍しい病気ではなく、治療によって改善が期待できます。 現在の皮膚科では、症状やライフスタイルに合わせて選べる治療法が豊富にあります。 ここでは皮膚科専門医の視点から、代表的な5つの治療法を詳しく解説します。 あなたに合った治療法を見つけるための、確かな一歩としてお役立てください。

皮膚科医が解説する多汗症の主な治療法5選
皮膚科医が解説する多汗症の主な治療法5選

【保険適用】塗り薬:アポハイドローション等の効果と副作用

塗り薬は、多汗症治療の第一歩として多くの方が選択される治療法です。 特に手のひら(手掌)の多汗症には、2023年に日本で初めて保険適用となった「アポハイドローション」という新しい選択肢が登場しました。

  • 作用の仕組み
     汗は、脳からの「汗を出せ」という指令がアセチルコリンという神経伝達物質を介して汗腺に伝わることで分泌されます。
     アポハイドローションは、このアセチルコリンの働きを汗腺で直接ブロックし、過剰な発汗を抑えます。


  • 効果と安全性
     1日1回、就寝前に塗るだけの簡単な治療です。
     ある研究では、この有効成分を含むローションを52週間にわたり長期間使用しても、治療効果の低下は見られなかったと報告されています。
     また、重篤な副作用はほとんどなく、長期間にわたって安全に使用できる可能性が示されています。


  • 主な副作用
     塗った部分に皮膚炎(かぶれ、赤み、かゆみ、乾燥)が起こることがあります。
     また、成分が体内に吸収されることで口の渇きなどが生じる可能性はありますが、その頻度は低いと報告されています。


脇汗(腋窩多汗症)には、「エクロックゲル」やシート状の「ラピフォートワイプ」といった保険適用の塗り薬もあります。 まずは手軽な塗り薬から試したいという方は、ぜひご相談ください。

【保険適用】飲み薬:プロ・バンサイン等の内服薬と注意点

飲み薬は、手のひらや足の裏だけでなく、顔や頭部など全身の汗にお悩みの方に適した治療法です。 特に、大事なプレゼンや試験の前など、特定の場面での発汗を一時的に抑えたい場合に有効です。

  • 作用の仕組み
     保険適用のある「プロ・バンサイン」は、抗コリン薬という種類に分類されます。
     塗り薬と似た作用ですが、全身の神経伝達物質(アセチルコリン)の働きをブロックすることで、発汗を全体的に抑制します。


  • 効果と注意点
     全身の汗を減らす効果が期待できますが、効き目には個人差があります。
     また、汗以外の部分にも作用が及ぶため、副作用に注意が必要です。


主な副作用 具体的な症状
口の渇き 口の中がカラカラに乾く
目の症状 ピントが合いにくい、目が乾く、まぶしく感じる
消化器系の症状 便秘、お腹の張り
泌尿器系の症状 尿が出にくくなる
その他の症状 眠気、めまい、頭痛

特に、緑内障や前立腺肥大症の持病がある方は、症状を悪化させる危険があるため使用できません。 必ず医師の診察を受け、ご自身の体質や持病を伝えた上で、適切に服用することが何よりも重要です。

【保険適用】イオントフォレーシス:手足の汗に効果的な通電治療

イオントフォレーシスは、薬を使わずに手のひらや足の裏の多汗症を治療する方法です。 副作用がほとんどなく、長期間にわたって安心して続けられるのが大きなメリットです。

  • 治療の仕組み
     水道水を入れた専用トレーに手のひらや足の裏を浸し、微弱な電流を20〜30分間流します。
     痛みはほとんどなく、ピリピリとした軽い刺激を感じる程度です。
     電流によって発生する水素イオンが、汗の出口である汗管に作用し、汗の量を物理的に減少させると考えられています。


  • 治療の頻度と期間
     治療は2つのステップで進めていきます。

    1. 導入期
       週に1回のペースで通院し、効果を実感できるまで治療を続けます。
       多くの場合、10〜20回程度の治療で発汗の減少を感じられます。
    2. 維持期
       効果が安定したら、症状に合わせて通院間隔を空けていきます。
       効果を持続させるためには、定期的な治療の継続が必要です。

薬の副作用が心配な方や、他の治療で十分な効果が得られなかった方におすすめの治療法です。

【自由診療】ボトックス注射:脇や顔の汗を止める効果と持続期間

ボトックス注射は、汗の分泌を強力にブロックし、脇や手のひら、顔などの局所的な多汗症に高い効果を発揮します。 自由診療となりますが、その効果の高さから非常に満足度の高い治療の一つです。 (※重度の腋窩多汗症と診断された場合は、保険適用となることもあります)

  • 作用の仕組み
     ボツリヌストキシンという成分が、汗を出す指令を伝える神経の末端に作用し、指令そのものをブロックします。
     これにより、注射した部位の汗腺が汗を作れなくなり、発汗が劇的に減少します。


  • 効果と持続期間

    • 効果の発現
       注射後2〜3日で効果が現れ始め、約2週間で安定します。
    • 持続期間
       個人差はありますが、1回の注射で約4〜9ヶ月間、効果が持続します。
       効果を維持するためには、年に1〜2回の継続的な治療が推奨されます。
  • 対象部位と注意点
     脇、手のひら、足の裏、額、頭部など、汗が気になる様々な部位に治療が可能です。
     注射の際にはチクっとした痛みを伴いますが、冷却や麻酔クリームで痛みを和らげることができます。
     手のひらの場合、ごくまれに一時的な握力低下がみられることがあります。


当院では、皮膚科専門医が患者様一人ひとりの症状やご希望を丁寧にお伺いし、最適な治療法をご提案いたします。 岩倉市はもちろん、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい立地ですので、汗のお悩みはぜひお気軽にご相談ください。

岩倉市の当院で受けられる多汗症治療とよくあるご質問

私自身、学生時代に手の汗でテスト用紙がしわしわになったり、友人と手をつなぐことをためらったりと、多汗症で深く悩んだ経験があります。 だからこそ、汗の悩みが日常生活に与える影響や、精神的なつらさは身をもって理解しています。

皮膚科専門医として、そして一人の経験者として、皆様の悩みに寄り添いたいと考えています。 幸いなことに、多汗症治療は近年大きく進歩しており、選択肢も豊富です。 ここでは当院で受けられる治療法や、患者様からよくいただく質問に具体的にお答えします。

岩倉市の当院で受けられる多汗症治療とよくあるご質問
岩倉市の当院で受けられる多汗症治療とよくあるご質問

当院の多汗症治療メニュー(保険適用・自由診療)

当院では、汗をかく部位や症状の重さ、そして患者様ご自身のライフスタイルに合わせて、保険適用の治療から自由診療まで幅広い選択肢をご用意しています。 診察で丁寧にお話を伺い、一人ひとりに最適な治療計画をご提案します。

治療法 対象部位 保険適用 特徴
外用薬(塗り薬)
アポハイドローション® 手のひら 適用 日本で初めて保険適用となった手のひら専用薬。1日1回、就寝前に塗ることで汗を抑えます。
エクロックゲル® 適用 ゲル状の塗り薬で、脇汗に効果的です。専用のアプリケーターで手を汚さずに塗布できます。
ラピフォート®ワイプ 適用 1回使い切りのシートタイプで、脇に直接拭いて使用します。持ち運びにも便利で衛生的です。
塩化アルミニウム液 手、足、脇など 自由診療 汗の出口(汗管)を物理的に塞ぎ、発汗を抑えます。医療機関でのみ処方可能です。
内服薬(飲み薬)
プロ・バンサイン® 全身 適用 「抗コリン薬」という種類で、全身の汗を抑える効果が期待できます。
イオントフォレーシス 手のひら、足の裏 適用 水道水に浸した患部に微弱な電流を流す治療です。薬を使わない点が大きな特徴です。
ボトックス注射 脇、手、足、顔など 脇のみ適用あり 汗を出す指令を伝える神経の働きをブロックします。効果の持続期間は4~6ヶ月程度です。

これらの治療法は、単独で行うこともあれば、効果を高めるために組み合わせて行うこともあります。

治療の痛みや副作用、ダウンタイムはどのくらい?

治療を選ぶ上で、痛みや副作用、日常生活への影響は誰もが気になる点だと思います。 それぞれの治療法について、皮膚科専門医の視点から詳しく解説します。

  • 外用薬(塗り薬)
    • 痛み・ダウンタイム
       ありません。
    • 副作用
       塗った部分の皮膚に、かゆみ、赤み、かぶれ、乾燥などが生じることがあります。
       特に手のひらの治療薬(アポハイドローション)の有効成分オキシブチニンに関する研究では、52週間の長期使用でも治療効果が低下せず、重篤な副作用の報告もほとんどなかったとされています。
       主な副作用は塗った部位の皮膚症状で、多くは軽度です。まれに口の渇きといった全身性の副作用が見られることもありますが、その頻度は低いと報告されています。
  • 内服薬(飲み薬)
    • 痛み・ダウンタイム
       ありません。
    • 副作用
       全身に作用するため、口の渇き、便秘、目がかすむ、眠気などが起こる可能性があります。緑内障や前立腺肥大症など、持病のある方は使用できない場合があります。
  • イオントフォレーシス
    • 痛み
       ピリピリとした軽い電気的な刺激を感じることがあります。
    • ダウンタイム
       ありません。治療後すぐに日常生活に戻れます。
    • 副作用
       治療部位の皮膚に、乾燥や赤みが出ることがあります。
  • ボトックス注射
    • 痛み
       注射針を刺すチクっとした痛みがあります。ご希望に応じて麻酔クリームを使用し、痛みを最小限に抑えます。
    • ダウンタイム
       ほとんどありません。まれに内出血が起こることがありますが、1~2週間ほどで自然に消えます。
    • 副作用
       注射部位に腫れや赤みが出ることがあります。手のひらの場合、一時的に筋肉の動きに影響し、握力が低下して物が持ちにくく感じることがあります。

代償性発汗(他の部位の汗が増える)のリスクについて

「代償性発汗」とは、治療で特定の部位の汗を止めた結果、その分を補うように他の部位(背中、お腹、太ももなど)の汗が増えてしまう現象です。 このリスクは、治療法によって大きく異なりますので、正しく理解しておくことが重要です。

  • リスクが極めて高い治療法
    • 胸部交感神経遮断術(手術)
       汗の指令を出す交感神経そのものを切除したり焼いたりするため、高い確率で代償性発汗が起こるとされています。
       一度手術をすると元に戻すことができないため、選択には非常に慎重な判断が必要です。
  • リスクが低い、あるいはほとんどない治療法
    • 外用薬、内服薬、イオントフォレーシス、ボトックス注射
       これらの治療法は、神経の働きを「一時的に」ブロックしたり、汗腺の出口に作用したりするものです。
       手術のように永続的な変化をもたらすわけではないため、代償性発汗のリスクは非常に低いか、ほとんどないと考えられています。

当院では、代償性発汗のリスクが低い治療法を中心に、患者様一人ひとりの安全を第一に考えた治療をご提案しています。 治療のメリットだけでなく、考えられるリスクについても事前に詳しくご説明し、ご納得いただいた上で治療を進めますのでご安心ください。

汗の悩みは、一人で抱え込まずに、ぜひ一度、皮膚科専門医にご相談ください。 岩倉市はもちろん、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい立地です。 あなたに合った治療法を一緒に見つけていきましょう。

まとめ

今回は、ご自身でできる多汗症のチェック方法から、皮膚科で受けられる具体的な治療法まで詳しく解説しました。

大切なのは、多汗症は「ただの汗っかき」「体質だから」と諦める必要はなく、適切な治療で改善が期待できる病気だということです。私自身もかつて同じ悩みを持っていたからこそ、汗の悩みが日常生活に与えるつらさは痛いほどわかります。

近年、治療法は大きく進歩しており、保険が適用される塗り薬や飲み薬など、ライフスタイルに合わせて選べる選択肢も増えました。「汗によって生活に少しでも支障がある」と感じたら、それは専門家へ相談するサインです。

一人で抱え込まず、まずは皮膚科専門医にお気軽にご相談ください。あなたに合った最適な治療法を一緒に見つけて、悩みから解放されるための一歩を踏み出しましょう。

参考文献

  • Fujimoto T, Terahara T, Okawa K, Inakura H, Hirayama Y, Yokozeki H. “Long-term evaluation of the safety and efficacy of a novel 20% oxybutynin hydrochloride lotion for primary palmar hyperhidrosis: An open-label extension study.” The Journal of dermatology 50, no. 11 (2023): 1459-1472.

追加情報

[title]:

日本人の主要な掌脇多汗症患者における、新たな20%オキシブチニン塩酸塩ローションの長期の安全性と有効性の評価:オープンラベルエクステンション研究 【要約】

  • この研究は、日本人の主要な掌脇多汗症(PPHH)患者に対して、52週間にわたってオキシブチニン塩酸塩20%ローション(20% OL)を使用した治療の長期の安全性と有効性を評価したオープンラベルエクステンション(OLE)研究です。
  • 安全性の解析集団(125人)では、不良事象(AEs)と副作用(ADRs)の発生率はそれぞれ79.2%と36.0%でした。重篤なAEsは2人の患者に見られましたが、試験薬との関連性はないと考えられました。研究中止に至ったAEsの発生率は1.6%でした。応用部位のAEsとADRの発生率はそれぞれ35.2%と26.4%でした。ほとんどのイベントの重症度は軽度でした。乾いた口に関連した抗コリン副作用の発生率は、喉の渇きが3.2%、乾いた喉が0.8%でした。
  • 20% OLの長期の有効性は、汗の量の持続的な減少と多汗症疾患重症度スケールと皮膚科生活の質指数の改善によって確認されました。
  • この研究にはいくつかの限界があります:まず、参加者の大部分が先行のDB研究からのものであるため、結果にはバイアスが含まれる可能性があります。次に、参加者のほとんどがPPHHに最も感受性のある年齢層(15歳未満)に属していなかったため、結果は一般化できない可能性があります。そして、この研究では52週以上の治療による安全性情報を得ることができなかったため、将来の臨床実践でこの情報を収集する必要があります。
  • この研究では、PPHH患者において20% OLを52週間使用した後に治療効果の低下は観察されませんでした。また、重篤なAEsや研究治療中止に至ったAEsはほとんどありませんでした。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37605375

[quote_source]: Fujimoto T, Terahara T, Okawa K, Inakura H, Hirayama Y and Yokozeki H. “Long-term evaluation of the safety and efficacy of a novel 20% oxybutynin hydrochloride lotion for primary palmar hyperhidrosis: An open-label extension study.” The Journal of dermatology 50, no. 11 (2023): 1459-1472.

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