
「最近、抜け毛が増えた気がする」「髪の分け目が以前より目立つかも…」。女性にとって髪の悩みは非常にデリケートで、誰にも相談できずに一人で抱え込んでいる方も多いのではないでしょうか。
その原因は加齢やホルモンバランスの変化だけではありません。実は、代表的な女性の薄毛(FAGA)では、約3分の2の方がホルモン値自体は正常範囲内というデータもあり、生活習慣や他の病気など、ご自身では特定が難しい要因が複雑に絡んでいるケースも少なくないのです。
この記事では、皮膚科専門医が薄毛の根本原因を紐解き、医学的根拠に基づいた最新の治療法を詳しく解説します。もう一人で悩まずに、正しい知識であなたに合った解決策を見つけるための第一歩にしてください。
女性の薄毛を引き起こす5つの主な原因
抜け毛が増えた、髪のボリュームが減ってきた、分け目が目立つなど、女性の薄毛のお悩みは非常にデリケートです。 しかし、一人で抱え込む必要はありません。 女性の薄毛には、加齢やホルモンバランスの変化だけでなく、生活習慣や他の病気など、さまざまな原因が考えられます。 原因を正しく突き止めることが、適切な対策への第一歩です。 ここでは、女性の薄毛を引き起こす代表的な5つの原因について、皮膚科専門医の視点から詳しく解説します。

加齢やホルモンバランスの変化によるFAGA(女性男性型脱毛症)
FAGA(Female Androgenetic Alopecia)は「女性男性型脱毛症」とも呼ばれ、成人女性に最も多く見られる脱毛症の一つです。 特に40〜50代以降の更年期にさしかかると、髪の健康を保つ女性ホルモン(エストロゲン)が減少します。 これにより、相対的に男性ホルモン(アンドロゲン)の影響が強くなり、FAGAを発症しやすくなるのです。
FAGAには、以下のような特徴があります。
- 頭頂部や分け目を中心に薄くなる
髪が全体的に細く、軟らかくなり、地肌が透けて見えやすくなります。 - 生え際の後退は少ない
男性のAGA(男性型脱毛症)のように、生え際が後退することは比較的まれです。
FAGAはゆっくりと進行するため、ご自身では変化に気づきにくいことも少なくありません。 薄毛は外見に大きく影響し、不安や気分の落ち込みにつながるため、進行を食い止めるための早期診断がとても重要です。
研究によると、FAGAの女性のうち、血液検査で男性ホルモンの値に異常が見られるのは約3分の1に過ぎないと報告されています。 これは、ホルモンの量だけでなく、毛根にあるホルモンを受け取る部分(受容体)の感受性の問題など、複雑な要因が関わっているためです。 また、背景に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のような婦人科系の疾患が隠れている可能性もあります。 そのため、専門医による正確な診断が不可欠です。
全体的に髪が減る「びまん性脱毛症」
「びまん性脱毛症」は、女性の薄毛で最も多く見られる症状のパターンです。 特定の部位だけが抜けるのではなく、髪の毛が全体的に均等に薄くなっていくのが特徴で、「びまん」とは「広範囲に広がる」という意味を持ちます。 実は、先述のFAGAも、この「びまん性脱毛症」というパターンをとる代表的な疾患です。
以下のようなサインに気づいたら、びまん性脱毛症の可能性があります。
- 髪全体のボリュームが減り、スタイリングがしにくくなった
- 髪の分け目が以前より広がり、地肌が透けて見える
- 髪の毛一本一本が細く、弱々しくなったように感じる
- シャンプーやブラッシング時の抜け毛が全体的に増えた
この症状は特定の病名ではなく、髪が全体的に薄くなる「状態」を指す言葉です。 原因は一つに特定できないことも多く、複数の要因が複雑に絡み合ってヘアサイクル(毛周期)を乱し、引き起こされると考えられています。
【びまん性脱毛症の主な原因】
- 加齢やホルモンバランスの変化(FAGA)
- 精神的なストレス
- 睡眠不足
- 栄養バランスの乱れ(特にタンパク質、亜鉛、鉄分の不足)
- 過度なダイエット
これらの原因を特定し、適切な治療を行うためには、皮膚科専門医による詳しい問診や診察が大切になります。
出産後に一時的に起こる産後脱毛症
出産を経験された多くの女性が直面するのが「産後脱毛症」です。 これは、出産後2〜3ヶ月頃から抜け毛が急激に増える現象で、多くの場合、心配のない一時的なものです。 原因は、妊娠から出産にかけての女性ホルモンの劇的な変化にあります。
- 妊娠中
髪の成長を促す女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が非常に高くなります。
これにより、本来なら抜けるはずの髪の毛が「成長期」を維持したまま、抜けにくくなります。 - 出産後
エストロゲンの分泌量が急激に元の状態に戻ります。
すると、妊娠中に抜けずにいた髪の毛が一斉に「休止期」に入り、まとめて抜け落ちてしまうのです。
排水溝にたまる髪の量を見て驚かれる方も多いですが、これは一時的な生理現象です。 通常は産後半年から1年ほどで自然に回復していきます。 しかし、慣れない育児による睡眠不足やストレス、栄養不足などが重なると、回復が遅れることもあります。 あまりにも抜け毛が長く続く場合や、ご不安が強い場合は、他の原因が隠れている可能性も考えられますので、一度ご相談ください。
髪型が影響する牽引性(けんいんせい)脱毛症
「牽引性脱毛症」は、髪の毛が物理的に長時間引っ張られることで、毛根にダメージが蓄積し、抜け毛や薄毛を引き起こす脱毛症です。 「牽引(けんいん)」とは、文字通り、引っ張ることを意味します。
特に、日常的に以下のような髪型や習慣がある方は注意が必要です。
- ポニーテールやお団子など、髪を強く結ぶ髪型
- きつく編み込むヘアスタイル(ドレッドヘア、コーンロウなど)
- 重さのあるヘアエクステンションの装着
- 毎日同じ分け目で髪を分けている
髪が強く引っ張られ続けると、その部分の頭皮の血行が悪くなり、毛根に十分な栄養が届かなくなります。 その結果、髪が細くなったり、抜けやすくなったりするのです。 このタイプの脱毛症は、主に生え際や分け目など、特に力がかかりやすい部分に起こりやすいのが特徴です。 対策としては、髪型を定期的に変える、髪をゆるく結ぶなどのセルフケアが有効ですが、すでに薄毛が目立つ場合は治療が必要なケースもあります。
甲状腺疾患や貧血など他の病気に伴う脱毛
髪は「健康のバロメーター」とも言われ、体の中に隠れた病気のサインとして脱毛が起こることがあります。 急に抜け毛が増えた場合や、薄毛以外にも体調の変化を感じる場合は、以下のような病気の可能性も視野に入れる必要があります。
- 甲状腺疾患
甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を調節しています。
このホルモンのバランスが崩れると(甲状腺機能亢進症・低下症)、ヘアサイクルが乱れて脱毛を引き起こすことがあります。
脱毛の他に、異常な疲れやすさや体重の増減などの症状を伴います。 - 鉄欠乏性貧血
鉄分は、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)を作るために不可欠です。
鉄分が不足すると健康な髪が育ちにくくなり、抜け毛につながります。
特に月経のある女性は注意が必要で、めまいや立ちくらみもサインです。 - 膠原病(こうげんびょう)
免疫システムが誤って自身の正常な細胞(毛包など)を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。
病気の種類によっては、脱毛が症状として現れることがあります。
脱毛の他に、だるさ、疲れやすさ、体重の増減などの症状がある場合は、自己判断せずに専門医に相談することが重要です。 当院では皮膚科専門医が丁寧に診察し、必要に応じて血液検査などを行い、薄毛の根本原因を探ります。 岩倉市はもちろん、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市など、近隣にお住まいの方で髪のお悩みをお持ちでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。
女性の薄毛治療3選
抜け毛が増えた、髪のボリュームが減ったなど、薄毛のお悩みは外見に大きく影響し、不安や気分の落ち込みにつながることもあるデリケートな問題です。 しかし、一人で抱え込む必要はありません。 女性の薄毛治療は、原因や頭皮の状態を皮膚科専門医が正確に診断することから始まります。
当院では、医学的根拠に基づいた様々な治療法をご用意しています。 治療の目標は、薄毛の進行を食い止め、患者様ご自身が美容的に納得できる状態を目指すことです。 ここでは、当院でご提案している主な治療法について、それぞれの特徴を詳しく解説します。

内服薬による体の中から発毛を促す治療(スピロノラクトンなど)
体の内側からホルモンバランスに働きかけ、薄毛の原因に直接アプローチする治療法です。 特に、女性の薄毛で多いFAGA(女性男性型脱毛症)に有効な選択肢となります。
当院では主に「スピロノラクトン」という内服薬を処方しています。 この薬は、男性ホルモン(アンドロゲン)が毛根の受容体と結びつくのをブロックする作用があります。 これにより、ヘアサイクルの成長期を短くしてしまう男性ホルモンの影響を抑え、抜け毛を防ぎ、髪が太く健康に育つ環境を整えます。
研究によると、FAGAの女性のうち、血液検査で男性ホルモンの値に異常が見られるのは約3分の1に過ぎないと報告されています。 これは、ホルモンの量だけでなく、毛根にあるホルモンを受け取る部分(受容体)の感受性が高いことが原因と考えられるためです。 そのため、ホルモン値が正常範囲内の方でも、この治療が効果的な場合があります。
スピロノラクトンの特徴と注意点
項目 | 内容 |
---|---|
期待できる効果 | ・抜け毛の抑制 ・ヘアサイクルの正常化 ・髪のハリ、コシの改善 |
主な作用 | 男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑える |
専門医からの注意点 | ・もともとは利尿作用のある降圧薬のため、定期的な診察が不可欠です。 ・副作用として、頻尿、血圧の変動、生理不順などが起こる可能性があります。 ・安全に治療を行うため、医師による慎重な判断と経過観察が求められます。 |
内服薬による治療は、医師の診察のもとで適切に行うことが非常に重要です。
外用薬で頭皮の血流を改善する治療(ミノキシジルの外用)
ミノキシジルは、頭皮に直接塗布することで発毛を促す外用薬です。 女性の薄毛治療において、その有効性が多くの研究で確認されており、治療の中心的役割を担う薬剤の一つとされています。
もともとは血圧を下げる薬として開発された成分で、血管を拡張させる作用があります。 頭皮に使用することで毛根周辺の血流が改善し、髪の成長に必要な栄養や酸素が毛母細胞(髪の毛を作り出す細胞)へ届きやすくなります。 さらに、毛母細胞そのものに直接働きかけて活性化させ、発毛を促す効果も認められています。
市販の発毛剤にもミノキシジル配合の製品はありますが、医療機関では患者様の頭皮の状態や薄毛の進行度に合わせて適切な濃度を選択できます。 また、使用中に起こりうる副作用へも専門的に対応できるため、より安心して治療に取り組んでいただけます。
使用開始後1ヶ月前後で、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。 これは乱れたヘアサイクルが正常に戻る過程で、古い髪が新しい髪に押し出されるために起こる現象であり、治療が順調に進んでいるサインともいえます。 自己判断で中止せず、不安な点は医師にご相談ください。
飲み薬で頭皮の血流を改善する治療(ミノキシジルの内服)
先ほどのぬる薬を飲み薬にしたものです。
男性の薄毛だけでなく、女性の薄毛治療で注目されています。
これは、体の内側から血流を良くすることで、髪の毛の成長に必要な栄養を毛根にしっかり届け、発毛を促します。
外用薬よりも高い効果が期待できますが、体毛が濃くなる(多毛症)などの副作用や、心臓への負担を考慮し、必ず医師の診察と適切な服用量の指示が必要です。
スピノロラクトンで十分な効果がでなかった人に限って、当院では処方しています。
不足しがちな栄養を補うサプリメントの処方(当院では行っていません)
健康で美しい髪を育てるためには、バランスの取れた栄養も大切です。 しかし、日々の食事だけで髪に必要な栄養素をすべて十分に補うのは簡単ではありません。 当院では扱いはありませんが、医薬品による治療と並行して、髪の成長を内側から支えるサプリメントの内服をお願いする場合もございます。
髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)や、その合成を助けるビタミンB群、ミネラル(亜鉛など)をバランス良く配合したサプリメントは、髪が育つための土台を整える「守り」のアプローチです。 医薬品のように直接発毛させる作用はありませんが、治療効果を高める役割を果たします。
サプリメントによる栄養補給のメリット
- 髪の成長を内側からサポート
髪の毛を作るために必要な栄養素を補い、強く健康な髪が育つ土台を整えます。 - 頭皮環境の改善
健やかな頭皮環境を維持し、医薬品の効果を最大限に引き出すサポートをします。 - 医薬品との相乗効果
ミノキシジルやスピロノラクトンと併用することで、より良い治療効果が期待できます。
女性の薄毛は、原因が一つではない場合も多く、複数の治療法を組み合わせることが効果的です。 当院では、皮膚科専門医がダーモスコピー(拡大鏡)による頭皮の診察なども行い、お一人おひとりの状態に合わせた最適な治療プランをご提案します。 岩倉市はもちろん、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市など近隣にお住まいの方で髪のお悩みをお持ちでしたら、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
薄毛治療を始める前に知っておきたい3つのポイント
薄毛の治療を始めようとお考えのとき、期待とともに不安や疑問を感じるのは当然のことです。 「本当に効果があるのか」「費用はどのくらいかかるのか」など、気になる点は多いでしょう。 安心して治療に臨んでいただくためには、事前に治療の全体像を正しく理解しておくことが大切です。 女性の薄毛は精神的にも大きな影響を及ぼすため、早期に専門医へ相談することが重要です。 ここでは、治療を開始する前に特に知っておいていただきたい3つのポイントを詳しく解説します。

治療期間と費用の目安(保険適用外の自由診療です)
女性の薄毛治療は、効果を実感できるまでにある程度の時間が必要です。 髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクル(毛周期)があります。 治療の目的は、この乱れたサイクルを正常に戻し、強く健康な髪を育てることです。 そのため、多くの場合、効果が見え始めるまでに少なくとも6ヶ月程度の継続的な治療が目安となります。
FAGA(女性男性型脱毛症)のようにゆっくり進行する疾患では、治療の第一目標は進行を食い止めることです。 その上で、美容的にご自身が納得できる状態まで毛髪の再生を促していきます。 髪の成長には時間がかかるため、焦らず根気強く治療を続けることが何よりも大切です。
また、薄毛治療は、原因となる他の病気(甲状腺疾患など)の治療を除き、美容的な側面が大きいと判断されるため、原則として保険適用外の自由診療となります。 費用は全額自己負担となりますので、あらかじめご了承ください。
治療内容 | 費用の目安(1ヶ月あたり) |
---|---|
内服薬(スピロノラクトン50mg) | 1か月分3300円 |
外用薬(ミノキシジル) | 未定 |
内服薬(ミノキシジル5mg) | 1か月分8800円 |
当院では、患者様一人ひとりの症状やご希望に沿った治療計画を作成します。 治療開始前には、必ず費用について詳しくご説明いたしますのでご安心ください。
副作用のリスクと初期脱毛の可能性について
どのようなお薬にも、効果がある一方で副作用のリスクが伴います。 当院で処方するお薬で報告されている主な副作用は以下のとおりです。 安全に治療を進めるため、医師による定期的な診察と経過観察が不可欠です。
- ミノキシジル外用薬
頭皮のかゆみ、かぶれ、赤み、接触皮膚炎、顔の多毛などが起こることがあります。 - スピロノラクトン内服薬
もともと利尿作用のある降圧薬のため、頻尿や低血圧、高カリウム血症、生理不順などが現れることがあります。
当院では定期的に採血を行い、副作用がないか安全を確保しながら行います。 - ミノキシジル内服薬
めまい、頭痛、動悸、息切れ、頻脈、不整脈、むくみなど。症状が強い場合は服用を中止します。
これらの副作用が起こる頻度は高くありませんが、万が一体調に変化を感じた場合は、すぐに医師へご相談ください。
また、治療開始後1〜2ヶ月頃に、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」という現象が起こることがあります。 これは、治療によって乱れたヘアサイクルが正常化する過程で起こるものです。 休止期にあった古い髪が、新しく生えてきた健康な髪に押し出されるために起こる、いわば「髪の毛の入れ替わり」です。 治療が順調に進んでいるサインともいえますので、驚いて自己判断で治療を中断しないようにしてください。 ご不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
市販育毛剤やセルフケアとの違いと併用の注意点
ドラッグストアなどで手に入る市販の育毛剤と、クリニックで行う医療としての治療には明確な違いがあります。 それぞれの目的とアプローチを理解し、ご自身に合った方法を選ぶことが重要です。
市販の育毛剤・セルフケア | 医療機関での治療 | |
---|---|---|
目的 | 頭皮環境を整え、今ある髪を健康に保つ**「育毛」「養毛」**が中心です。 | 新しい髪を生やし、髪の量を増やす**「発毛」**を目指します。 |
成分 | 厚生労働省が許可した有効成分(医薬部外品)が主体です。 | 医学的に発毛効果が認められた医薬品(ミノキシジルなど)を使用します。 |
診断 | ご自身の判断に委ねられます。 | 皮膚科専門医が診察し、薄毛の原因を正確に診断します。 |
セルフケアでは、薄毛の根本的な原因を特定することは非常に困難です。 女性の薄毛は原因が多岐にわたるため、皮膚科専門医による早期の正確な診断が、進行を食い止める鍵となります。 当院ではダーモスコピー(拡大鏡)で頭皮や毛髪の状態を詳しく観察し、診断の精度を高めています。
市販の製品とクリニックの治療を併用すること自体は可能ですが、必ず事前に医師にご相談ください。 有効成分が重複したり、頭皮への刺激が強くなったりと、思わぬ影響が出る可能性も考えられます。 自己判断での併用は避け、医師の管理のもとで最適な治療を進めていきましょう。
薄毛のお悩みは大変デリケートな問題ですが、一人で抱え込む必要はありません。 医学的根拠に基づいた適切な治療で、改善を目指すことができます。 当院は岩倉市にありますが、北名古屋市、小牧市、一宮市、江南市からもアクセスしやすい立地です。 髪のお悩みをお持ちでしたら、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
まとめ
今回は、女性の薄毛を引き起こす様々な原因と、クリニックで受けられる最新の治療法について詳しく解説しました。
薄毛のお悩みは非常にデリケートですが、その原因はホルモンバランスの変化や生活習慣、他の病気の可能性など多岐にわたります。最も大切なのは、自己判断で悩むのではなく、まずは皮膚科専門医に相談し、ご自身の状態を正確に把握することです。
クリニックでは、内服薬や外用薬など、医学的根拠に基づいた治療法の中から、一人ひとりの原因に合わせた最適なプランをご提案できます。治療効果を実感できるまでには時間が必要ですが、適切なケアで改善を目指すことは可能です。一人で抱え込まず、あなたの髪のお悩みを、私たち専門家へお気軽にご相談ください。
参考文献
- Starace M, Orlando G, Alessandrini A, Piraccini BM. Female Androgenetic Alopecia: An Update on Diagnosis and Management. American journal of clinical dermatology 21, no. 1 (2020): 69-84.
追加情報
[title]: Female Androgenetic Alopecia: An Update on Diagnosis and Management.
女性男性型脱毛症:診断と治療に関する最新情報 【要約】
- 女性男性型脱毛症(FAGA)は、女性における非瘢痕性脱毛症の一般的な原因である。思春期以降のあらゆる年齢で発症し、年齢とともに頻度が増加する。
- 臨床的には、頭部中央部のびまん性の薄毛を示すが、前頭部のヘアラインは通常保たれる。FAGAは、不安や抑うつにつながるため、精神的な影響を大きく及ぼす可能性がある。そのため、病状の進行を阻止するために早期診断が非常に重要である。
- FAGAで研究されている主な病態メカニズムは性ホルモン環境である。アンドロゲンの役割は明確に定義されておらず、FAGAの女性の3分の1のみがアンドロゲンレベルの異常を示す。FAGAに関連する高アンドロゲン血症を伴う内分泌疾患には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、高プロラクチン血症、副腎過形成、まれに卵巣腫瘍や副腎腫瘍などがある。
- 通常、FAGAの診断は臨床的に行われる。完全な臨床検査と血液検査により、高アンドロゲン血症の他の徴候が明らかになる可能性がある。毛髪鏡検査では、典型的な毛髪の小型化が見られる。臨床評価で確定診断が得られない場合、またはFAGAの分布や円形脱毛症における瘢痕性脱毛症が疑われる場合、頭皮生検が有用となる可能性がある。
- FAGAはゆっくりと進行する疾患である。治療の目標は、進行を阻止し、美容的に許容できる毛髪の再生を誘導することである。最も重要な薬剤は、局所ミノキシジルと経口抗アンドロゲン剤である。
- 本レビューの目的は、FAGAに関する最新情報を提供し、常に容易に認識できるわけではない、同様の分布を示す瘢痕性脱毛症との区別を含む、この頻度の高い毛髪疾患の診断と治療に関するガイドラインを作成することである。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31677111[quote_source]: Starace M, Orlando G, Alessandrini A and Piraccini BM. “Female Androgenetic Alopecia: An Update on Diagnosis and Management.” American journal of clinical dermatology 21, no. 1 (2020): 69-84.