足のにおい
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足のにおい、その原因は?
足のにおいは、多くの人が抱える身近な悩みです。主な原因は、汗と細菌です。
足は体の他の部位に比べて汗腺が多く、特に汗をかきやすい場所です。
靴や靴下で密閉された環境では、湿度と温度が上昇し、細菌が繁殖しやすい状態になります。
これらの細菌が、汗や皮脂、古い角質などを分解する際に、においの原因となる物質(イソ吉草酸など)を生成します。
「足のにおい」の原因となる主な疾患
単なる汗やムレだけでなく、特定の皮膚疾患が原因で強いにおいを放つことがあります。
ここでは、特に足のにおいと関連の深い2つの疾患について詳しく解説します。
1.点状融解角質症(てんじょうゆうかいかくしつしょう)
点状融解角質症は、足の裏の角質層が細菌によって分解され、小さな穴が多数開く皮膚疾患です。
意外と身近な病気ですが、病気じゃないと思っている方が多いです。
見た目には、足の裏、特にかかとや指の付け根に、まるで虫食いのような多数の小さなへこみや穴が見られます。
原因と症状: 主に「コリネバクテリウム」という細菌が原因で、高温多湿の環境で増殖します。
この細菌が角質を分解する過程で強いにおいが発生します。
足のムレや、ゴム製の長靴などを長時間履く人に多く見られます。治療: 細菌の増殖を抑えるための抗菌薬の塗り薬が有効です。
また、足の清潔を保ち、通気性の良い靴や靴下を選ぶなど、生活習慣の改善も重要です。
2. 長嶋型掌蹠角化症(ながしまがたしょうせきかくかしょう)
長嶋型掌蹠角化症は、手のひらと足の裏の角質が厚く硬くなる遺伝性の疾患です。
手のひら・足の裏に多汗を伴うことが多く、手足のにおいを気にされることがあります。
原因と症状: SERPINB7遺伝子の変異によって引き起こされることがわかっており、多くは幼少期に発症します。
手のひら、足の裏全体が分厚く赤みを帯びます。水につけると、5~10分ほどで赤みが白く変色するのが特徴的です。治療: 主に皮膚を柔らかくするための角質溶解剤(尿素軟膏、サリチル酸ワセリンなど)を塗布します。また、乾燥を防ぎ、清潔を保つことが大切です。においが強い場合は、点状融解角質症と同様に抗菌薬が使用されることもあります。
水虫にかかりやすいので、定期的に皮膚科でチェックすることも大切です。
3. その他の原因
水虫(足白癬)や多汗症などが足のにおいの原因となることもあります。
手のひらの多汗症については保険適応の薬もでてきています。
自己判断せず、専門医による正確な診断を受けることが大切です。
当院の治療方針
当院では、患者さんの足の状態を皮膚科専門医が診察し、においの原因を特定します。
診断: 視診と必要に応じて検査を行い、点状融解角質症や長嶋型掌蹠角化症、水虫など、適切な診断を下します。
原因に応じた治療: 細菌が原因の場合は抗菌薬を処方し、多汗症の場合は外用薬を使用します。
個々の症状に合わせた最適な治療法を提案します。
ご自宅でできる予防とケア
クリニックでの治療と合わせて、以下のセルフケアを実践することで、足のにおいを効果的に予防・軽減できます。
足を清潔に保つ: 毎日、石けんをよく泡立てて、指の間まで丁寧に洗いましょう。
足をしっかり乾かす: 洗った後は、タオルで水気を拭き取り、完全に乾かしましょう。
靴を乾燥させる: 同じ靴を毎日履かず、日替わりで履くようにして、十分に乾燥させましょう。
吸湿性の良い靴下を選ぶ: 綿や麻などの天然素材の靴下を選び、こまめに交換しましょう。
よくある質問Q&A
Q. 市販のにおいケア商品を使っても効果がありません。なぜですか?
市販の製品は一時的なにおいを抑える効果はありますが、根本的な原因である細菌や疾患には対応できません。特に疾患が原因の場合は、医療機関での治療が必要です。
Q. 子どもの足がにおうのですが、受診すべきでしょうか?
お子さんの足のにおいは、体質的なものから、点状融解角質症などの疾患が原因である可能性もあります。一度皮膚科専門医にご相談いただくことをお勧めします。
Q. 点状融解角質症と水虫(足白癬)は同じですか?
いいえ、異なります。点状融解角質症は細菌が原因、水虫はカビの一種である白癬菌が原因です。治療法も異なるため、正確な診断が重要です。
